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前回の話 時刻はマルハチマルマル。 鉄や鋼が金槌に鍛えられ押し込まれる、耳をつんざく音が響く。 上から日課とされている開発任務の催促を消化しにやってきたのだが、 それについて自分は起床時から全く思考の一枚も重ねておらず、形式上終わらせる事しか考えていなかった。 と言うのも、艦に必要な装備は一通り揃い、 資料に登録出来ていないものといえば酷く製造が難しい極一部の精密な設計のものだけだからである。 そういったものは製造コストが資源に嵩むので、それなら今あるものでやりくりする方針で行く。 空母を例に挙げれば、普通の彗星やら流星やら烈風だけでも十二分な戦力となり得るのだから、 震電とかいうものを製造してみる気はない、という事だ。 冒頭に話を戻すと、そういった理由で自分は端から大井に適当な砲を作らせて報告書をでっち上げるつもりでいた。 時間もかからずに中型艦以下にはお馴染みの十四サンチ単装砲が一丁仕上がり、 大井も反論する様子は見受けられなかったので本題に入る。 話の内容が内容なので、自然と自分の口調は堅い物になる。 「検討した結果、大井は単装砲を捨て、九三式酸素魚雷を従来の二十発から三十発に換装してもらう。異論は……」 「あの。他の艦も、強くしてあげて?」 あるか、と問おうとしたのだが、大井から帰ってきたのは通論とも異論とも判断しかねる言葉であった。 至極穏やかでふわりとした控え目の笑みを浮かべて傾げる艦首、 そしてわざととしか思えない素っ頓狂な論点のずらし方に、たちまち自分の口調も崩れる。 「……他の艦の事よりも、第一に自分の事を気にしてくれ」 「私はもう充分強くなったからいいんです。それよりも北上さんや木曽ちゃんにあげた方がいいと思うんですよ」 確かにそういう選択肢もある。 しかし、兵装実験も兼ねて最先端を走るこの装備こそ、魚雷の扱いの練度が一番成熟した大井に託したいのだ。 それともう一つ。 身も蓋もない事なので口には出さないが、世のあらゆるところで特化型はバランス型よりも有利になるのだぞ。 大井は富士山にも届く程どんどん尖らせて行きたい。 「……そういうことなら、喜んで頂きます」 意外と素直に受け入れた大井は、早速装備換装の為奥のカーテンに向かい手をかけ、何事か振り向く。 綺麗な長髪を予兆なく さら、と揺らして振り向く大井の顔は、 その笑みに楽しげな成分がよく見ないと伺えない程度に盛られていて……。 「私の着替え、覗きます?」 阿呆な事を言ってないでさっさと済ませてきなさい。 両腕両足の装備を変えるだけだろうが。 「っふふ」 数分後、大井は戻ってきた。 魚雷は九三式酸素魚雷のままに、発射管を零式五連装発射管へと姿を変え、 それを両足に四基、両腕に二基搭載している。 大井は初めての五連装発射管が新鮮なようで、それらを手で撫でながら呟く。 「この魚雷火力、うまく使って欲しいなぁ……」 これらの発射管は開発したものではなく、 この鎮守府の戦果功績が認められて試験運用の名目で上から支給された物だ。 試験運用と言っても返す義務はないそうなので気楽なものだ。日々の報告書の作成は一枚増えるだろうが……。 自分もこの目で見るのは初めてで、大井が腕の発射管を眺めている傍で跪き、足の発射管を眺めて弄くり回す。 さわさわ。さわさわ。すりすりすりすり……。 「提督も気になります? 更にいっぱい付きましたよね、って……。 触りすぎなので提督に三十発、撃っていいですか」 「提督が艤装の検査をするのがそんなに悪いか」 「途中から艤装じゃなくて足触ってますよね」 「ついでに船体も磨こうと思ってな。お前はいつでも綺麗でいて欲しいからな」 「いい加減にしてくれないと私、本気にしちゃいますよお?」 状況によってはこの科白は昂りの材料になりそうだが、声色が威圧感を含んでいたので仕方なく離れる。 優しい目尻を貼り付けた笑みはそのままに、 眼力を強めるという器用な顔が出来る大井はいつまで経っても照れ屋だ。全く。 「朝からこんなところで盛らないで下さいね」 その言葉の裏を突こうものなら、局部に魚雷が飛んで来かねない事も考えて自粛しておく。 スキンシップを拒まれた自分は、単細胞生物の如く深く考えずにこのような科白をのたまった。 「足触っただけなのに、水臭いね」 …………………… ………… …… 「…………」 この人のセクハラを止めながらも、長い月日の付き添いの下、 昔の私が知ったら怒り狂いそうな気持ちを私は秘めていた。 私からあっさり離れながらも恥も捨てて愚直に不満を漏らす提督に、私は距離を再び縮めようと一歩前に出る。 「もう少しだけなら触っ……」 「提督!」 提督以外の者には聞こえないように発した小さな声は、大きな声に叩き伏せられた。 提督の向こうにいた声の主は、大本営からの任務通達を担当する軽巡大淀さんだった。 大淀さんが探しに来るという事は、何か緊急の通達があったに違いない。 だから、提督が即座にそちらへ意識の全てを向けるのは何ら間違っていない。 間違っていないのだが、腑に落ちない。 「大淀? どうした」 せっかく縮めた距離も、また開いてしまう。 よく考えれば私は秘書なのだから、提督と同じように私も大淀さんの知らせを聞きに行けばいい筈なのだが、 提督との戯れを妨害された挙句に一人取り残されたような処遇で、その場に立ち尽くしてしまった。 「……ああ。……ああ。分かった、ありがとう」 最後にいくつかの書類を渡してから、大淀さんは凛とした面持ちを崩さぬままその場を立ち去った。 戻ってきた提督も、気を引き締めた面持ちに切り替わっていた。 「急で悪いが、用事が出来たから留守番を頼む。午前の演習は休みになるそうだ」 「……分かりました」 何か良くない事でも起きたのかと思ったら、そんな事はなかった。 でも、午前の演習がお休みになるって事は、用事は午後までかかるという事よね。 演習が出来ない。せっかくの五連装魚雷が試せない。 残念だなあ……。 …………。 ぎゅ。 「え……?」 暫く思考が止まり、次に我に返った時には強い力で暖かいものに包まれていた。 目前にあるのは、提督の肩? 抱き締められている? 「ほら、出かけるからって悲しそうな顔しない」 「……し、してませんよ。自意識過剰も程々にしてください」 口では微動だにしない姿勢を演じつつも、 本当のところは間近で感じるこの人の匂いだとか熱だとか、 私の腕と肩をいっぺんに包むこの人の腕、押さえるように腰に添えられた手の感触が気になって仕方がなかった。 「そうか? それにしてはさっき何か言いかけてなかったか」 「提督の空耳ですっ」 「……ふうん」 ここはうるさい工廠なのに。 まして小さい声だったはずなのに。 確かに全く聞こえないような声だったら口に出す意味がないとはいえ、聞こえていたなんて。 あそこで大淀さんが来ていなければ、 多分私は勇気が羞恥心を上回ったままこの人の好きにさせていたかもしれないけど、 あの戯言をこんな形で受け止められてしまっては、時間差も手伝って羞恥心が勝る。 私は何を言っているんだろう、という自己嫌悪に滅多刺しにされるのだ。 そんな私の心情などお構いなしに、この人はいっそう抱擁の力を強める。 「勝手にするけどね。何せ昼過ぎまで帰って来られないんだから、私も補給しておかないと」 「はぅ……」 「あー、暖かい……」 急な用事ではないんですか。 こんな事をしている場合ですか。 秘書として言える事は沢山あるのに、 締まらなくなった蛇口のようにそんな事をのたまうこの人の離す気配のない抱擁に、私は……。 「……熱くなってきてないか、お前」 「っ!」 この人の声色から、口の端が天に向かっているのは容易に想像が付くのだけど、 とうに突っぱねる選択肢を失っていた私は何も出来なかった。 昼過ぎまで、出撃も演習もなく、この温もりもないのだから。 それからは提督の気の済むまでそうしていた。 それから惜しむ間なく別れて、自室に戻ろうとして私は不意にある事を思いついた。 ――そうだわ。昼過ぎまで帰って来られないって言ってたんだから、お弁当でも―― 食事なんかしている時間はないかもしれない。 手に余らせて迷惑がられるかもしれないけど、知った事か。 思いついてしまった以上、ここで何もしないという選択はない。 実のところ土曜日のカレー以外は殆ど料理はしていないけど、 カレーが作れるなら不味い物は出来ないはずだ。 そう気を持って、朝食時を過ぎた厨房へ向かう。 私の運の悪さが災いしたのか、単に食材の仕入れ作業にでも行ってしまったのか、 頼みの間宮さんは不在だった。 勝手ながら厨房を借り、何とか残っていた少ない食材を駆使して、一つの包みの開発に成功する。 成功……したのかしら。 時間もないし簡単なもので仕上げたけど。 兎に角、提督の身仕度が終わっていないかが心配だ。 包みを抱えて小走りで玄関口へ向かうと、あと少しのところで大淀さんを見つける。 「はぁ、大淀さん! 提督もう行っちゃいました!?」 「ええ、今し方出ましたけど」 何てこと。 ということは、大淀さんは提督を見送ったところか。 一方の大淀さんは、私の手に持っているもので察したようで、どう反応すべきか困ったように苦笑する。 「あら、残念でしたね……」 「作戦が悪かったわ……」 あるいは私の運が悪かったか。 机に突っ伏して腕を枕にしてそう嘆いても、提督の手元にこの包みは渡らない。 自動車だから、空母に頼み込んだところで航空機の燃料が持たないだろう。 そうして行き場を失ったこの包みを持ち、私は執務室で一人退屈の渦中に巻き込まれる事となっていた。 こういう時って、駆逐艦は他の艦と違って大人数で集まって好きに動くのよね。 でも騒がしいのはどちらかといえば好きじゃない私は、それを見習う気にはならない。 それは私だけでなく、北上さんや木曽ちゃんもまた同じ。 北上さん、大丈夫かな……って、そういえば早い昼寝と洒落込んだんだった。 普段の招集頻度は高い方だから、こういう時があれば身を休めようとするのは己の為になるだろう。 ああ、炬燵に突っ伏してぼんやりつらつらとそんな事を考えているうちに、私も睡魔に襲われていく。 姿勢が悪かろうと、こうなると今更自室まで体を動かすのは億劫だし……。 大人しめな色合いの包みを穴が空くほどじっと睨んでいたが、私の意識は段々と低下していった。 …………………… ………… …… 不定期に開かれる軍の会議にやっと終わりの鐘が鳴り響いた時、時計の時針は無慈悲にも正午を通り過ぎていた。 議題の一つ一つの話が回りくどいし長ったらしい。 おかげで尻が痛い。 正午は現代日本人にとって二度目の食事時だというのに、 鎮守府の門を通った時、時計の時針はその重要性を吐き捨てるように大幅に過ぎ去っていた。 庁舎に入り、まず持って行くように言われた書類を置いてくる為に真っ先に執務室へ向かう。 歩く足を止めず扉を叩きもせずに開けたが、自分はそれを反省する事になる。 「おっと……」 畳の中心に設置した机で大井が突っ伏していたからだ。 自分がいない執務室にまさかいるとは思わず、反射的に姿勢を正す。 それから自分は音を立てないよう細心の注意を払って扉を閉め、畳に上がり込んだ。 手持ちの書類を机にそっと置き、大井の傍に置かれている包みに意識を向ける。 これは何だろうか。 外からの手触りからこれは弁当箱だと察した。 ではこれは誰のだろう。 こんなものを執務室に持ってくる時点で候補は大幅に絞れるが、確信もない。 食事なら食堂を使えばいいのだから、大井が弁当を持つ意味が分からない。 まずこれを作ったのが大井という確信もないから、大井が寝ている手前誰に聞けばいいかも分からない。 自分が出かける直前、自分は大井から何も言われていないのだ。 どうしたものかと何気無く大井の寝顔を見やった。 「すー……、すー……」 朝の工廠で見せた、あの悲しむような寂しがるような顔はなかった。 大井は絶対否定するだろうが、 自分が出かけると言った時に見せた口角を落とした顔、気落ちした様子を表す声の抑揚のなさは、 落ち込んでいるという事が手に取るように分かりやすいものだった。 それだけにこの安らかな寝顔を見ると安堵するものだ。 その安眠を邪魔しないよう、普段よりも慎重に頭を撫でる。 「ていとくぅ……、んふふー……」 するとどうだろう。 大井は目を瞑ったまま突然口の幅を大きく広げ、大井らしからぬ間抜けな声を漏らしたではないか。 寝息がそのまま続いているから、起きてはいまい。 「おい、しい……ですか……、すー……」 夢でも見ているのか。 寝言で大体察した。 そこの弁当は手をつけてしまっても問題なかろう。 大井なりに男が持つのに合う物を選んだ気遣いが伝わってくる包みを解いてゆく。 箱を露わにし、黒塗りの箸を手に取った。 思えば、大井にさせている料理の殆どは土曜日のカレーであった。 なので大井はカレーに関しては高い練度を発揮出来るが、カレー以外ではそうはいかない。 あまり余計な負担をかけないようにと思っていたが、これはこれであまり良くないのでは、と思ってしまった。 カレーは毎週少しずつ出来が良くなっていったが、変化したのはカレーだけだったようだ。 大井の作ったであろう弁当は、不味い訳ではないが、とても美味しい、とも言えないものだったのだ。 カレー以外は殆ど演習させていないから、恐らく下ごしらえだとか、調味料だとか、火の通し方をまだよく知らない。 レパートリーが不足しているのだ。 これはいけない。 自分の為に出してもらえる飯が美味いに越した事はないのだ。 そうだ。それなら演習をしよう。 興味があって人並みに出来るくらいまで勉強した自分が少し口出ししようかと、 持ち帰ってきた書類を仕分け、少しでも時間の許す限り執務を進めながら考えていた。 勿論大井の寝息を聞きながら。 「んっ、んんん~……!」 筆を置き背を伸ばす。 もうヒトヨンマルマルだ。 午後に演習があるため、あまりのんびりしてはいられない。 「大井、起きろ」 呼びかけて肩を揺する。 大井が瞼をゆっくりと半分開いた。 起動し切っておらずという具合に、顔を上げるにも時間をかける。 「あ……、ていとく……」 目を覚ますにはまだ時間がかかりそうだが、自分は構わず用件を口にする。 「さて、時間もあまりないから、少し私と演習しようか」 「……分かりました」 本当に分かっているのか。 顔でも洗わせに洗面所へ向かわせた方がいいだろうか。 とか考えている間に、何やら大井は行動を見せる。 一体全体どういう理屈か、大井はこちらへ四つん這いで近付き、私の首に両腕を巻き付けてきた。 突然の事に自分は後ろに倒れかけたが、間一髪両手を畳に付き事なきを得る。 しかしこれは同時に、抵抗する手段を失っていた事に自分は気づけないでいた。 そして。 「んんっ!?」 なんなんだ。 何故自分は大井に唇を奪われ、好き勝手に弄られているのだ。 「ちゅ、ちゅぱ、……んん~、んぅんぅ、ちゅる……ぅ」 しかも舌を差し入れ、私の口を開けさせようと歯茎を舐め回し、歯を突つく。 混乱した自分は素直に口を開いてから後悔した。 阿呆か、自分は。 頭の中で反省文を原稿用紙に長々と書かせる暇がある訳なく、 立てこもり犯のようにいとも簡単に舌を同じものに捕まえられてしまう。 「んっ、はむ、ちゅく、んぁ、ちゅる、ふぅ……、えへへー……」 大井らしからぬ間抜けな声を漏らす辺り、まだ寝呆けているに違いない。 そんな調子の大井相手に情けない事だが、碌に抵抗もできずに気の済むまでされてしまった。 こんな事をする意図があったつもりは毛頭ないので、さっさと息を整えて止めにかかる。 大井は言っていた。朝から盛るなと。 どっちが。 「はぁ、はぁ。おい、目を覚ませっ」 口を離した時が隙と見て、倒され気味だった体勢を直す。 畳に付いていた両手を大井の肩に置いて揺らすという少々強引な手を使う。 「……ぁ、あら? 提督、帰っていたんですね」 やっと目を覚ましてくれたらしい。 これで妙な展開は静まると安堵したが、その油断が自分の落ち度だったのかもしれない。 「提督、どうして口の周りをべとべとにしてるんですか。汚いので早く拭いてくださ……」 「お前の所為だ馬鹿」 「……え? あれ、だって、提督、夜戦の演習って……」 「……お前は白昼から何の夢を見ていたんだ」 「……夢?」 大井のその呟きを最後に、見つめ合う事数秒。 きょとんと垢抜けた顔はぼっと赤くなり、困ったように目尻と口角が下がる。 大井が目を下に逸らす。 何やら口を動かしているようだが、よく聞こえない。 大丈夫か、と問おうとするその直前。 「提督の馬鹿ーっ!!」 バチコーンッ!! 「ぐふっ、大井……、私が何をした……」 Oh, ジーザス。 艤装を付けていない艦娘の底力を渾身の平手打ちで表現された自分は、盛大に体を壁に叩きつけられる。 理不尽さとデジャヴと、大井の柔らかかった唇の感触を走馬燈のように思い出しながら、意識を失ってしまった。 …………………… ………… …… その晩。 床に就いた自分は眠るまでに多少の時間が必要そうなので、 駆逐艦イ級の数を数えるのに必死でいた。 リラックスしないと眠りには就けないのに必死とは、寝る気あるのかと突っ込まれても反論一つできない。 そう自嘲していると。 もぞもぞ……。 「!」 「夜戦……、しないんですか?」 ジーザスは言っている。 ここで引くべきではないと。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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331 :名無しの紳士提督:2015/12/13(日) 22 53 53 ID favdgQso 流れをぶった切って恐縮ですが、 107 の続編というか、対になる話を投下させていただきます。 伊勢型姉妹とジュウコンしている提督が嫁とHする話、伊勢編です。 極微ですが、アナル描写有りですのでご了承下さい。 夜のお相手も日替わりです。(エアリプ) 332 :伊勢型ジュウコンカッコカリ_02:2015/12/13(日) 22 55 29 ID favdgQso 俺の煎餅布団の脇で、伊勢は難しい顔で正座をしていた。 この夜更けに、今日の秘書艦で指輪を贈った相手でもある彼女を私室に誘ったのだから、当然下心はある。 伊勢だって、分かった上でついて来たはずだ。 それなのに、上着を脱がせてハンガーに掛けてくれた後はずっとこの調子だ。 俺が部屋着のTシャツ姿に着替え終えたところで、伊勢が切り出した。 「提督、聞いてもいいですか?」 「ん?」 夏の大規模作戦以来、まったく出撃がないことが不服なのか。 はたまた、瑞雲を後回しにして零戦21型の練度を上げているのが面白くないのか。 「あの……提督は、お尻に……シてみたいですか?」 「!!?」 俺は驚いた拍子に、ちゃぶ台に思いっきり脛をぶつけてその場にうずくまった。 「変なことを聞いてごめんなさい……。」 伊勢は申し訳なさそうに、俺の脛をさする。 そういえば少し前に、日向から、伊勢が俺の隠していたエロ本を見つけた話を聞いたのを思い出した。 それで知恵をつけたであろう事は察しがつく。 「いやいや、伊勢にそんな趣味があったとはなぁ。」 アナルねぇ。俺は『どちらかといえば興味がある』程度だけれども。 「誤解ですっ!! 提督にそういう趣味があるなら応えたいだけですからね!」 顔を真っ赤にした伊勢は、俯いて続けた。 「提督は、いつも私と日向を平等に扱おうとしてくれてますよね? でも、私達に指輪を贈ってくれた時、着任順にって日向が先だったから……。 私にも何か、日向より先のことがあったらいいなって思って。」 「伊勢……。」 その、『先のこと』がこれでいいのか!? もっと言うなら、日向とそんなプレイをする事は一生ないと思うぞ。 ……姉妹揃って、ちょっとズレているところがあるよなぁ。そこも可愛いのだけれども。 思うところはあるが、一つだけ言える。 自らお尻を差し出そうとしているのを、無下にできるか! 俺は、俯いたままの伊勢を抱き寄せた。 顔を上げた彼女と唇を重ねると、そのまま舌を割り入れて絡め、互いに啄み合った。 チュッ、クチュと水音が耳の中で木霊するのを聞きながら、柔らかく、僅かにねっとりした感触を気が済むまで味わった。 唇を離すと、伊勢の舌先から唾液が名残惜しそうに糸を引いているのが目に入った。 「まずは装填しないとね。」 伊勢は独りごちると立ち上がり、部屋の灯りを消した。 そして俺に布団に寝るよう促すと傍らに正座をし、俺の顔をちらりと見て恥ずかしそうに言う。 「あの……提督、脱ぎませんか?」 「あ、あぁ。」 『夜戦』を厭わない彼女とはいえ、自分で脱がす事には抵抗があるだろう。 素直で臆しない性格に甘えていることを心の中で詫びながら、請われるままに下着ごとズボンを脱いだ。 秋の夜の、少しひんやりとした空気に俺の主砲が曝された。 しかし、すぐに温かいものに包み込まれた。伊勢の口だ。 時折唇の端からプチュプチュと音を漏らしながら優しく刺激されると、意思とは関係なく瞬く間に大きくなった。 伊勢は、今度は亀頭を唇で軽く咥えて、舌先で鈴口をちろちろとくすぐりはじめた。 一方で、唾液と先走り汁で濡れた指先で、執拗に裏筋をなぞる。 しばらくそうした後、俺のもどかしさを見透かしたように、口いっぱいに肉棒を頬張った。 口腔全体で、時に吸い上げ、時に舌でカリを擦り上げる。 ジュプ、ジュプという音を聞きながら、白くなっていく意識の中、このまま口の中に射精してしまおうかとぼんやり思った。 不意に、伊勢の口から開放されて我に返る。 「気持ちいいですか……?」 少し苦しかったのだろう、そう尋ねる伊勢は荒い息をしていた。 「ああ。」 「よかった。」 ふふっ、と小さく笑って再び主砲を咥えようとするのを制して、布団に横たわらせた。 女らしい丸みと、日頃の鍛錬を思わせる無駄のない筋肉の両方を同時に感じる脚線は、思わず見とれる美しさだ。 その腿を抱え上げて脚をM字に開かせると、秘所を覆う白く小さい布が曝け出された。 それは既に濡れそぼっていて、クロッチの部分にはシミまでできている。 「あっ、スカートが皺になるから待って……ひゃぁんっ!」 布の隙間から指を差し入れて肉蕾を擦ると、大きな嬌声が上がった。 「こんなに濡らすほど期待してるのかぁ、お尻に挿れられるの。」 「もおっ!意地悪っ。」 俺は、伊勢の抗議も意に介さず、下着を脱がすと指を蜜壷の奥へと差し込んだ。 軽く指を曲げて、壁がざらっとしている辺りを指の腹で擦ってやると様子が変わる。 「あんっ、そこはっ、ふぁ……あんっ、刺激が強すぎっ……やぁんっ!!」 言葉通りなのだろう。責めを続けると、俺の指を咀嚼するかのように蠢きながら、蜜を尻まで滴らせた。 シーツを掴み、喘ぎながら腰をよじる様は淫靡で、劣情を催さずにはいられなかった。 「あっ、あぁん……はあっ……提督っ、あんっ! もうっ……ぁ…あぁんっ! イっちゃうぅ…!!」 俺に腿を抱えられたまま、伊勢は割れ目から潮を噴き上げて腰をひくつかせた。 絶頂に達したのは、傍目から見ていも明らかだった。 俺は、息を弾ませて余韻に浸る伊勢の中に、自身を挿入した。 姉妹艦だけあってか、挿れた時の感じが日向とよく似ていると思っていることは、当然胸に秘めておく。 「……ぁんっ!!」 全身を弛緩させていたのに拘わらず、伊勢の肉壷は刺激に反応してきゅうと絞め付けてきた。 俺は、それに気を良くして、ぐっしょりと濡れている後孔にも人差し指を侵入させていった。 初めての経験に気分が高揚する。 「ひゃぁぅ!!?」 伊勢から、悲鳴とも嬌声ともつかない高い声が上がった。 弄ってみると、入口こそ狭いが、中は意外なほど柔らかだった。 「……くぅんっ…お尻がじんじんするっ……。」 「痛いか?」 「……うぅん…大丈夫です。」 「無理はするなよ。」 様子を見ながら、二本目の指を入れる。 繋がったままの伊勢が、一瞬、身体を強張らせたのが伝わってきた。だが、それは一瞬だけだった。 「……ふぁ、あ…熱くて、変な感じ……。」 俺を信頼しているからこそ、俺が与える快感も、苦痛も、あらゆる全てを受け容れようとしているのだろう。 その姿が愛おしくて、俺は、指を抜くと伊勢を抱き起こした。 伊勢の上衣はすっかりはだけていて、黒いインナーが露わになっていた。 伸縮性のある生地が程良いボリュームの胸にぴったり張りつき、二つの丘陵の頂がぷくりと膨れ上がっているのがはっきり判った。 思わず手を伸ばしかかるが、邪念を振り払って口を開いた。 「伊勢はさ、提督募集の広報に使われている絵があるのを知ってるか?」 「うーん……。知らないです。」 伊勢は首を傾げて、続く言葉を待つ。 「真ん中に吹雪がいて、その後ろに囲むように伊勢と赤城と最上と大井がいるんだ。」 提督なら艦隊指揮を執る前に必ず目にする、あれだ。 「それを初めて見て、伊勢が……その時は名前も知らなかったけれど、飛行甲板を構えている姿が凛々しくて可愛くて。逢ってみたいと思って、俺は今こうしている。」 ……きっと、一目惚れだったんだと思う。 「だから、俺が出逢ったのは日向が先だけれど、伊勢を先に知ってたんだ。」 「!!……私にも、日向より先のことがあったのね。」 伊勢から歓喜の感情が溢れたのは一瞬だった。 ふふっ、と小さく笑って続ける。 「私、日向のこと妬いてたんだな……。」 それはいつもの楽しげな笑みではなく、自嘲だった。 伊勢は、不意に俺の首に腕を絡めて頬を寄せてきた。 甘えているようにさえ取れる物腰だが、顔を見られたくないというのが真意だろう。 「提督が私達に、『これからもずっと二人で支え続けて欲しい』って言ってくれたとき、本当に嬉しかったんです。 日向は私にとって大切な妹で、頼りになる僚艦だけれど、提督も日向のことを同じように思ってくれていて、これを二人分用意してくれたんだって。」 背中で、伊勢が左指の指輪をそっと撫でたのが分かった。 「……これ以上何かを望むなんて、欲張りね……。」 日向はうちの艦隊に最初に加わった戦艦で、伊勢はそれから数ヶ月遅れてやって来た。 最初こそ近寄り難さを感じた日向だが、一緒にいると不思議と心が穏やかになった。 そして、伊勢と一緒にいるのはいつでも心地良かった。 二人の内どちらかを選ぶことは考えられなかった。 今の関係は俺にとって必然だ。しかし、彼女達にとっては違うのだ。 身勝手だけれども、今だけは伊勢に日向のことを忘れていて欲しかった。 それは伊勢も同じだったのかもしれない。 「提督、バックで来てくれますか……?」 耳元でそう囁いて、吐息とともに絡めた腕を解いた伊勢は、俺の顔を覗き込んだ。 それは、紛れもなく雌の顔だった。 薄闇の中、伊勢は熱に浮かされたように服を脱ぎ捨てて、一糸纏わぬ姿で自ら恥部を俺の前に突き出した。 その艶めかしさに魅入られて、俺は、伊勢の腰のくびれに手を添えると一気に貫いた。 「ぁ…あぁんっ……!!」 伊勢の艶声とともに、ブチュッと卑猥な音が鳴った。 屹立した男根を抜き差しする度、とめどなく溢れる愛液が最深部へと誘っていく。 「あんっ……はあっ…あんっ……提督っ…もっと良くしてっ……!!」 伊勢がせがむように小さく腰を振りはじめると、腹の奥の方からじりじりと快感がこみ上げてきた。 「……気持ちいいぞ、伊勢。」 「あっ、…わ……私もっ…すごくいいっ!…はぁっ……おかしくなっちゃいそう……。」 「おかしくなってもいいぞ。」 余裕がなくなってきた俺は、伊勢のすっかり硬くなった肉蕾を指先で擦り上げた。 「あぁっ……!! ダメぇっ!!」 その刺激で、伊勢の理性をかろうじて保っていた枷が外れたようだった。 結った髪と乳房を激しく揺らし、尻肉のぶつかるパンパンと乾いた音を立てながら、伊勢は夢中で腰を振ってきた。 肉壷は容赦なく、千切れそうな程に俺自身を絞め上げる。 「ぁあんっ! あんっ! いいっ…いいよぉ……ぁあんっ、イっちゃうっ!!」 伊勢が嬌声とともに上体を大きく仰け反らせて身体をビクビクと震わせると、彼女の全身から力が抜けていくのが分かった。 俺は、放ちたい欲求をかろうじて抑えて、伊勢の中から引き抜いた肉棒を菊門に挿入した。 「…えっ?……ふあぁんっ!! いやぁ……あぁん……。」 狭い入口が亀頭を締め付ける刺激以上に、不浄の穴を犯している背徳感が昂ぶらせた。 「お尻で感じるなんて、伊勢は変態だなぁ。」 「ちがぁ……あっ、だめぇ…提督っ、またイっちゃう!…ぁあぁっ!!」 「伊勢っ、出すぞ!……っ!!」 俺は、限界を超えて溜め込んでいた精液を、一滴残らず注ぎ込んだ。 精を放った快感の中、男根が脈打つたびに尻穴を犯されながら小さく嬌声を上げる伊勢の姿を、半ば呆けながら眺めていた。 「がーん! スカートが皺になるって言ったのに……。」 すっかり身嗜みを整えた伊勢が、スカートの皺を手で伸ばしながら大袈裟な声を上げた。 それは昼間、執務室で秘書艦の仕事をこなしている時そのままで、さっきまでの淫らな姿が夢のようにさえ思えた。 「一晩あれば皺も伸びるだろう? 今夜は泊まっていけばいいよ。」 「うぅん、せっかくだけど帰ります。朝起きて私がいなかったら、日向が寂しがっちゃうから。」 そう言うと、ふふっ、と小さく笑う。 いつもの楽しげな、あの微笑みだ。 俺だって、伊勢も日向もどんなに遅くなっても必ず姉妹に充てがわれた私室に戻る事を知っているのだけれど、時々それを確かめたくなるのだ。 「寝坊して、明日日向に怒られないようにしてくださいね。 おやすみなさい、提督。」 小さく手を振って部屋を出る伊勢の背中を見送りながら、俺が居ようが居まいが変わらないであろう姉妹の関係に、安堵とともに一抹の寂しさを感じていた。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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325 名前:幼妻大鯨ちゃん[sage] 投稿日:2015/03/03(火) 21 41 49 ID UK87oIHg 桃の節句なので非エロですが投下します 326 名前:ほ・ろ・よ・い 幼妻大鯨ちゃん[sage] 投稿日:2015/03/03(火) 21 42 48 ID UK87oIHg 今日は3月3日。女の子を祝う楽しい雛祭りの日である。 鎮守府には艦娘と呼ばれるたくさんの女の子がいるため、男の俺にも無関係というわけではない。 だが元々は古代中国の上巳節と呼ばれるもので、それは男女の関係なく行われるものであった。 唐の時代に日本に伝わり上巳の節句となり、様々な過程を経て女の子を祝う雛祭りとなったのだ。 季節の行事には目敏い俺だったが、雛祭りが元々女の子だけのものではなかったと知ったのは最近の事だった。 準備なんてできるはずもなく、今年は雛祭りとして艦娘を祝う為の祭りに終わることになるが 来年はきちんと準備しておいて女の子だけでなくみんなの健康を祝う行事を行いたい。 鎮守府での雛祭りを楽しみに足早に出張から帰ってきた俺は意外な出迎えに驚いた。 「おっ帰りなさぁ~い」 「ッ!?」 その場にいたみんなも驚いていた。大鯨が高いテンションで俺に抱き着き、キスしたからだ。 しかもそのキスはなんだか酒臭い気がした。 「まあ、大鯨ちゃんったらダ・イ・タ・ン、大胆ね」 「んんっ…………っはあっ、のんきに大鯨の声真似してる場合か!?一体どうしたというのだ!?」 やっとのことで口を離した俺は思わず如月に怒鳴り散らすような口調で言ってしまった。 「あ、あの……」 「なんだ?」 電が恐る恐る話しかけてきた。俺はとりあえず落ち着いて聞いた。 「実は…私が大鯨さんに雛祭り用に用意した甘酒がたくさんあまったからそれを飲ませて… そうしたらあんな調子になっちゃって……」 「甘酒で酔うなんて……お酒とっても弱いのかしら!」 「そんなはずないよ。大鯨はあまりお酒には強くないけど、提督と同じくらいには飲めたはず……まさか!?」 「どうやらそのまさかみたいだな」 隼鷹が何かに気付いた時、俺は転がっていた酒瓶を確認した。 「こりゃ甘酒じゃない。白酒だ」 「やっぱりね…」 「司令官、白酒ってな・あ・に・」 いつもの調子…だが必死にいつもの調子でいようとしているような感じだった。 「白酒は甘いから甘酒と混同しやすいけど、アルコールがほぼない甘酒は酒税法上はお酒じゃないけど、 白酒はアルコール度数が9もあってリキュール、つまりれっきとしたお酒なんだよ」 さすがは隼鷹だ。酒が絡んだ時の速さときたら天下一品だろう。 「じゃあ私達子供が雛祭りに白酒と思って飲んでいたのは…」 「酔わなかったのなら甘酒と勘違いしていたのさ」 「つまり白酒は甘酒の一種ではなかったのですか…」 「そういうことだ……電、このことはよく覚えておいて、これからは気をつけるんだ」 「わかりました……」 電がすまなさそうな顔をしながら答えた。 「で、これからどうするのかしら……?」 「そうだな……」 如月が目をやった先にはすっかり出来上がっていた大鯨の姿があった。 「さっきまではこんなんじゃなかったけど提督が帰ってきた途端こうなのよ…」 「このままじゃ雛祭りに参加させられないな…」 「司令官さんは大鯨さんと一緒に休んでいてください。後は私達が……」 「…わかったよ鳥海。君達に任せる」 「そうよ司令官、私達に頼ってもいいんだからね!」 俺は鳥海や雷達に全てを任せ、大鯨と共に司令室に戻った。 「提督ぅ…雛祭りに行かないんですかぁ…」 「大鯨、今の君じゃ何をしてしまうかわからない」 「隼鷹さんだって酔っ払いながら任務に勤めている時があるじゃないですかぁ」 「彼女は酔っ払っていてもそれなりにしっかりしているから大丈夫だけど、 君はここまで酔ったことなんてないからどうなるのかわからないし」 彼女は酒に少しは付き合える程度には強く、いつもこうなる前には飲むのをやめる。 だから彼女は酒を飲んでいても悪酔いすることはなかった。 彼女がこれほどまでに酔っていたのは、甘酒という思い込みのもとでかなりの白酒を飲んでしまったからであろう。 「とにかく俺達の今日の仕事は終わりだ。ゆっくりと休もう」 「そうですかぁ……だったら!」 「おいっ!?」 彼女がいきなり押し倒してきた。 「何を…」 「いいじゃないですか、夫婦なんですし……それに……私……寂しかったんですよ……長い間あなたと会えなくて」 長い間といっても一週間のことである。しかし俺達は結婚してからそれほどの期間離れ離れになったことはなかった。 俺が大鯨を雛祭りの料理の準備の為に鎮守府に残したのが原因だろう。 ……ふと見せた悲しげな顔は艦娘大鯨ではなく一人の女としての顔だった…… 「だからしましょ。久しぶりに、たーっぷりと…ね」 「い、いや…」 俺が彼女を拒む理由なんて全くない。だけど彼女は酔っている。 酔っている人に対してそういった行為に及ぶ事は悪い事だからだ。 彼女なら及んでしまってもわかってくれそうだと思う一方、 どこか頭の中でやっちゃいけないと叫ぶ自分がいた。 「私はいつでも準…でき…………」 そういって彼女は俺に倒れ込んだ。そして聞こえてきたのは安らかな寝息だった。 ふう…一時はどうしようかと思ったがとりあえず一安心か。 俺はこのままだと二人とも風邪をひいてしまうだろうと思い布団を敷き、 彼女を布団に寝かせて俺も一緒の布団に入った。 彼女の顔はとても安心しきった表情だった。さっきまでの寂しげな表情はもうなかった。 俺はそんな彼女の寝顔をいつまでも、彼女の手を握りながら見つめていた。 「き、昨日はその、ご、ごめんなさいっ!」 彼女は起きて早々昨日の事について謝った。 「せっかくお寿司やはまぐりの潮汁を作っておいたのに…… それにあんなはしたない真似をしちゃって……」 はしたない真似なら今までにもなくはなかったが…… もしかしたら酒に呑まれてしまっての事を恥じたのかもしれない。 「いや、過ぎたことはいいんだ。これから気をつけたらいいから」 「ごめんなさい……」 「……この話はここまでだ。さて、今日は何をするか……」 「今日は……あなた確か出張帰りだから休みでしたね」 「君も雛祭りの準備をさせていたから今日は休みだな………… そうだ、せっかくだから料理を教えてくれないかな」 「料理、ですか?」 「俺だってちょっとは料理を作れるようにならないとな。 ラーメンスープとかうどんつゆとか、煮卵風のゆで卵とか…… お世辞には料理とはいえないものばかりだからな、俺ができるのは」 「はいっ!わかりました!一生懸命教えてあげますね」 昨日の失態を挽回しようとするかのように張り切る彼女の姿を見て頼もしさを感じた俺だった。 「そうだ、ついでに一ついいか?」 「なんですか?」 「その……君が酔っ払っている時に…そういったこと、してみても……いいかな……」 「…………はい…………別に構いませんよ……昨日だって、しても文句は言いませんでしたよ……」 彼女は恥ずかしそうに許可してくれた。 そんなことに許可を求める俺もちょっとアレだろうが、 親しき仲にも礼儀あり…ってこの場合に当てはまるかわからないが、 言っておかないと不安になる性格な俺なのであった。 ―続く― これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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前回の話 「北上さん! 明けまして、おめでとうございます! こ、今年もっ……あ、提督? 提督も、今年もどうぞ、よろしくお願い致します」 「よろしく」 「はい」 年が変わっても、大井は少しも変わらなかった。 何を錯覚したか私の体にまとわりつくようにぺたぺた触る。 正気に戻ったらそれもなくなって軍人らしく直立し頭を下げる。 対して自分は極めて簡潔に返したが、 これは脳内で再生されている映像を鑑賞しているところを悟られないようにした結果なのだ。 IFの世界とは人なら誰しもが考えるだろう。 『提督! 明けまして、おめでとうございます! こ、今年もっよろしくお願いします!』 その世界では、大井は私が姿を現すなり突然、顔を病的なまでに綻ばして飛び込んで来るのだ。 そして、体中を隈なく揉んだり触ったりして、早速姫始めしましょぉぉ等と……。 「あの、私の顔に何か付いてます?」 いや何も。 元旦。 早いものだ。 怠惰な暮らしに身を投じているなら未だしも年末年始でさえ休みのないこの暮らしなら殊更で、 少し気を抜けば時の流れに置いていかれそうだと自分は年甲斐もない事を感慨深く思っていた。 人間は意味のない思考に耽る事の出来る唯一の動物だが、それを許さないかのように北風が吹き飛ばした。 自分は直ちに身を縮こませ、上着の中に冷たい空気が入り込むのを阻止しようとする。 「寒そうですね」 背を丸める自分と違って、 大井が定規でも差し入れたようにしゃんと背筋を伸ばし、着せた上着のポケットに手を突っ込む事もしていないのは、 寒さにとんでもなく高い耐性を持つ艦娘であるからだ。 それは重々承知で、上着を着せたのは周囲から浮く事がないようにとか、艦娘である事をカモフラージュする為である。 他人事の調子で此方に流し目を向ける大井の身体が少しだけ羨ましいと思う。 「私は、むしろ寒さを感じてみたいと思いますが」 無い物強請り、だとか、隣のしばふは青い、と言うな。 自身には無い物が隣の人間にあると好奇心をくすぐられるだろう。 然し不便なことの方が多いぞ。 この場合だと、手が言う事を聞かなくなってまともに筆を操れなくなったりするのだ。 だから庁舎に帰っても執務に差し支えないように、こうしてポケットに手を潜ませているのだよ。 「それなら……」 大井は無造作にぶら下げるその手を、私の上着のポケットに入れた。 定温を保つ大井の手の感触に自分の手は驚き、その隙に掴まれてポケットから出されてしまう。 冷たい空気が自分の手を刺すが、自分より一回り小さい大井の手が前方の風から守るように私の手を握った状態を保つ。 「これはどうですか?」 良いか悪いかと問われれば、断然良い。 上着は北風から守ってくれるだけだが、この場合は熱源が熱を供給してくれるのだ。 単純に暖かいし、それだけでなくもっとこう、文字通りでない別の何かも不思議と暖まる。 それは大井も同じようで、暗い夜道にぽつりと立つ電灯の下で無いと分からない程度に頬に朱が入っている。 「これくらいのことでそんな気持ちになれるなら、やっぱり私も寒さは感じてみたいです」 一見人間を見下した皮肉のようだが、大井はこれを本心から言っている。 その願いが叶うとしたらそれは大井が艦娘をやめた時だろうな。 先の御参りではそれをお祈りしてきたのか? 「そんなわけないでしょう。提督は何をお祈りしたんです?」 私か。 提督として無難に安全祈願を願っておいた。 他にもあると言えばあるが、人間が沢山いる以上神様は一人一つまでしか聞いてはくれないだろうしな。 「それは提督の手腕にかかっているのであって、神頼みは意味のないことだと思います」 それもそうだ。手厳しい。 で、大井は何を願ったのだ? 「秘密です」 神のみぞ知るのか。 この言い分だと大井の願い事は私と異なる物なのだろう。 帰ったら神棚にだけでも安全祈願は願っておけよ。 気休めにしかならないだろうが、やって損はない。 「提督は気を休めてばっかりではないですか」 馬鹿を言うな。 やる時は気を引き締めているじゃないか。 先の十一月に行った庁舎の拡張工事だって更なる戦力を……。 「いででででっ!?」 「……他の子がどうしたって?」 大井は突然握っていた私の手を締め上げた。 それは艦娘が持つ潜在能力をあらん限りに出力して、私がそれ以上口を利く事を許さない程の力だ。 防衛本能によって大井の手から離れようと身を捩らせるが、大井は出力を維持したまま容易に付いて来る。 「止めろッ!!」 「はい」 案外素直に従ってくれた。 乾燥した空気に冷やされた手へのダメージは思いの外大きい。 力を抜いてくれた隙に離したその手を擦って 慰める。 艤装がないのになんて力だ。 此奴の思考回路では庁舎を拡張工事する事が不倫にでも直結しているのだろうか。 だとしたらそれは些か短絡的過ぎると思うのだがどうだろう。 全く信用がないな。 私が誰かに色目を使った事でもあったか? ほぼ常に傍にいるお前が、そんなところを見た事があったか? 「あっもう着いちゃいましたね。ちょっと岸壁のところへ行きましょう?」 人の話を聞け。 それと、お前は平気かもしれんが、こっちは寒いんだ。 庁舎に戻らせろ。 「いいですね?」 大井はまたもや私の手を握って痛みを感じない程度に力を込めたので、自分は不戦敗として白旗を上げるしかない。 分かった分かった。だからさっきのはもうやめろ。 温かい缶を握り締め、岸壁のベンチで黄昏る。 先は嫌がったが、寒空の下で月を肴に甘酒を啜ると悪くないと思えるのは何故だろう。 「それ、美味しいですか」 美味いし懐炉にもなる。飲んでみろ。 大井に飲みかけの甘酒を渡す。 甘酒は健康にも非常に良いから、人間にはありがたい物だ。 少し風が吹くだけでこうも金をかけねばならんのだから、人間ってのは面倒臭い。 それでも参拝は鉛の弾でもない限り何が降っても行く気だったからそれを後悔はしない。 寒いと言う理由だけで外に出ない程堕ちてたまるかと言う意地もあるし、偶には肩に背負った責務の事も忘れて 「おい! 誰が全部飲んで良いと言っ、た……?」 小さな缶を一気にぐいっと呷った大井に突っ込みを入れようとしたが、自分はその任務を達成できなかった。 横に座る私に突然まとわりついてきたからだ。 上半身を捻り私へしがみつくように腕を回す。 自然と大井の頭頂を見下ろす形になる。 「懐炉……です」 深夜。 人気もなく潮風がそのまま吹き付ける岸壁。 結局のところ大井がこんな場所で黄昏る訳は考えても分からないが、 寒さの中こうして熱を感じると有難みが増すようだ。 とか何とか気取っているがそれは嘘ぴょんで、 自分は人目がないのを良い事に此奴へ抱いた邪な感情を抑えているだけだ。 自分は理性が渦潮に飲み込まれないよう堪えている事をおくびにも出さず、乾燥した唇を開く。 「甘酒の方がいい」 「またさっきの力で抱き締めてあげましょうか」 だからそれはやめろ。 兎角こうされるのは自分も満更ではないが、まずは庁舎に戻らせてくれ。 自分はこの体勢のまま動かない大井を、引きずるようにして庁舎に戻った。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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428 :名無しさん@ピンキー:2014/04/04(金) 08 03 06.26 ID bfaOzMZw 以前自分が書いた7-559の翔鶴ネタと 6-538の島風ネタと8-84の曙ネタが世界観同じにしてるのでその続き ※戦後の話で「鬱」な部分がかなりあるので注意 深海棲艦との長き戦いも終わり、艦娘側の勝利という形で幕を引いた。 戦争当時、資源の枯渇していた帝国海軍は諸外国を魔の海域から救い出すことで 支援物資を得るなど財政はかなりひっ迫していた。 それゆえに短期決戦に全戦力を投入せざるを得なく、結果見事撃破したのだった。 こうして深海棲艦がいなくなり、世界は平和となった。 はずだった。 深海棲艦は駆逐しきれず、魔の海域も一部残っている。 深海棲艦は自然発生し続けているために倒してもキリがないのだ。 すでにじり貧となっていた帝国海軍は最精鋭を以てしてこれ(発生源)を封印した。 之を以て終戦とス。 帝国海軍よりさらに上の彼のお方より賜った御言葉だ。 そして急速な軍縮へと向かってゆくこととなる。 解体解体解体解体解体解体解体解体 解体解体解体解体解体解体解体解体 解体解体解体解体解体・・・ いったい何人の艦娘が解体されただろうか。 艤装を解体された彼女たちは魂の欠片となり大本の魂へと還っていく。 ある者は泣き、ある者は笑って還って逝った。 一定以上の戦果をあげた艦娘は武装解除の後、 鎮守府にて艤装を厳重に安置され、自由を手に入れることも可能だった。 しかし、解体された方が彼女たちにとっては幸せだったのかもしれない。 戦争しか知らぬ彼女たちにとって、そこはある意味地獄だった。 長き戦いで疲弊した帝国に職はなく、生きていくためには体を売るしか道がなかった。 提督たちもまた軍縮のあおりを受け解任され、慕ってくれる艦娘に頼り、養ってもらうしかなかった。 愛する艦娘に体を売らせる苦痛はいかばかりだろう。 艤装の解体を願い出た者もいたが軍はこれを良しとしなかった。 もしもの場合に備えた優秀な戦力温存と、維持費削減。まさに外道の所業と言えよう。 耐えきれず自害する提督が後を絶たなかった。 愛する艦娘の枷となっていることに耐えられなかったのだろう。 ----終戦から数年。 人々の努力のかいあって急速に経済の復興を遂げた帝国では、 親に可愛がられて育った自己中心的な快楽主義の若者の吹き溜まりになっていた。 艦娘という戦力とその特殊性から海軍はあまり積極的に徴兵を行わなかった。 結果、戦争を知らない若者たちは終戦直後、膨らんだ軍事費に猛抗議し軍縮を加速させ、 さらには恩人であるはずの彼女たちを慰み者にし食い物にしていた。 そう、かつての救国の英雄たちは、はした金にも満たない額で文字通り凌辱されつくしている。 しかし、民意を恐れてか軍上層部は見て見ぬ振りをして、官僚は今なお私腹を肥やすと聞く。 雷「・・・大丈夫!私がいるじゃない!電は私が守るんだから!」 そう私は自分を奮い立たせる。 司令官は自害してしまった。 体を売ってでも司令官や私たちを守ってくれた秘書官だったあの人も 司令官の亡骸に縋り付き、次の日司令官もろともいなくなってしまった。 机には「ごめんね」とだけ書かれた紙と、幾分かのお金が置かれていた。 後を追って逝ってしまった。つまりそういうことだと思う。 電「わたしもがんばるのです!」 雷「ダメよ!あなたは家でじっとしてなさい。」 電は秘書官が体を売っていたことを知らない。 この世界には私たちの仕事なんてそれくらいしかないことも、 私たち艦娘たちが娼婦として蔑まれ、ボロボロになっていくことも。 何も知らない。何も教えてない。 司令官が死に、秘書官が行方不明なことも。 雷「それに・・・司令官と約束したでしょ?あなたは家を守る役目だって」 電「はわっ、そうなのでした・・・」 シュンとする電を抱き寄せて言い聞かせる。 雷「司令官たちはちょっと遠くで出稼ぎに行っちゃっただけ。きっとまたすぐにみんなで暮らせるようになる」 雷「・・・大丈夫、なんとかなるわ!私がいるんだから!あなただけは守って見せるわ!」 そう、自分に言い聞かせた。 電「はい、なのです・・・」 たぶん電はうすうす感づいてる。 司令官が死んだことも。秘書官が死んだことも。 そして・・・これから私が体を売りに行くということも。 ・・・・ ・・・ ・・ 若者A「おい、コイツにしようぜ」 若者B「どいつだ?ってまた艦娘かよ。こいつらクローンみたいにうじゃうじゃいっから飽きてきたよ」 若者A「そういうなって、値段は安い上にこいつら人間と違ってすげー頑丈だから無茶やっても平気なんだぜ」 若者B「とかいっていつもぶっ壊してんのはどこのどいつだよww」 若者A「ゲラゲラ、ちげーねーやww」 艦娘は人間に限りなく近いけど人間じゃない。化け物って言う人もいるけど、 司令官は軍艦の魂が受肉した付喪神のような存在だって言ってたっけ・・・。 雷「んむぐぅ・・・やめっ・・・むぐぉるぶじゅr」 若者A「やべーってコイツの窒息のどマンコすっげー気持ちいいわww」 髪を掴まれ強引にのど奥にずぶずぶと突っ込まれる。 手足は縛られ、雁字搦めなのをいいことに好き勝手に体を使われる。 か弱い女の子にこんなことするなんてヒドイじゃない・・・。 って抗議したらお腹を殴られてもう抵抗する気力も残ってない。 若者B「窒息いいな!こっちも締め付けたまんねーわww」 そう言うと、お兄さんは私の首を絞めてくる。 ジュブッ、グジュッ、と激しく腰を打ち付けられて全身に苦痛と快楽が奔る。 雷「ぷぁっ、ひゃめっ・・ぐるじ・・死んじゃ・・・あ・・が・・・」 びゅくびゅくと熱いものが注がれると同時に プツンと、画面が真っ暗になるのを感じて、私は意識を失った。 目が覚めるとお兄さんたちはもういなくなっていた。 あの後も私は責め立てられていたようで、体のあちこちが痛む。 シャワーを浴びてお給金をもらい、夕飯の材料と明日の電のごはんの材料を買って帰宅する。 電「お帰りなさい!なのです!」 雷「ただいま!はい、今日のごはんは白い方よ」 私は努めて明るく振る舞う。 電「やったなので・・・・その首どうしたのですか!?」 そういわれて慌てて首を押える。 うかつだった。2人相手は初めてではなかったけれど 拘束されて意識を失うほどの攻めに心身ともに参っていたみたい。。 雷「こ、これは・・・ちょっと・・ね」 言い訳を考える余裕はなかった。 電「ちょっとって感じじゃないのです!・・・・・・・・・・・・・お仕事・・ですか?」 雷「・・ッ、そ、そんなことよりほら!今日はご飯いっぱい食べていいから!お夕飯にしましょ?」 電「やっぱり私も働くので・・・」 雷「ダメよ!!」 電「(ビクッ)」 電だけは守ってみせる。それが司令官との最期の約束だから。 約束・・・だったのに。 -----その日、電はいなくなった。 ・・・ ・・ ・ あれからどれだけ経ったのだろう・・・。 思いつくところはすべて探したけれど、電はついに見つからなかった。 電も逝ってしまったのかもしれない。 結局私は誰も守り切れなかった。 憧れていた司令官も、解体された暁や響も、そしてみんなに託された電まで。 生きる気力もなくなった私は、いつの間にかこの路地裏でぼろ雑巾のように犯されるだけになっていた。 ・・・誰かが来たようだわ。また、犯されるのかしら。・・・もう、どうでもいいけど・・ 大切なものは全部なくしてしまった・・・私には何も・・ない 浮浪者「へっへ、今日もお世話になるぜ!」 前戯もなしにいきなり突っ込まれる。 ゴポゴポと誰とも知れない精液があふれてくるのがわかる。 雷「ぅ・・ぁ・・」 浮浪者「このちっぱいを摘みあげるとギュウギュウ締め付けるのがまたたまらんわ」 ずちゅっずちゅっ 私の意思とは無関係に体は敏感に反応し男の竿をきゅっきゅっと扱き上げる。 なんだか・・・とても疲れた。 酷い脱力感と眠気が私を襲い。意識がもうろうとしてきた。 浮浪者「なんだぁ?締りが悪くなったな。おい!この!・・・やべぇ、動かなくなっちまった」 ブーーーーーン・・・ 浮浪者「何の音だ?あーくそっ起きろ!」 ガンガン蹴られ薄れゆく意識の中、懐かしい艦載機の音を聞いた気がした。 艤装は凍結されたはずのに・・・。 ??「提督!こっちです!」 浮浪者「なっ、お前ら何もんだ」 提督「シャイセッ!(クソッ)また私は救えなかったのか・・!?」 浮浪者「何言ってやがるんだ?あ?そうか、お前もこれを使いたいなら順番待ちだぜぇ? つって動かなくなっちまったがな」 提督「どけっ、クズ野郎」 浮浪者「ぐぇ、くっそ、なにす」 提督「お前らの!ような!輩が!いるから!!!」 浮浪者「いってぇ、やめろっ!あ゛あ゛あ゛あ゛!」 ボキッグチャッと明らかにやばい音がする。 翔鶴「て、提督、それ以上は死んでしまいます。」 提督「・・・ッ、次はないと思え」 浮浪者「ひぇ、ひぇぇぇぇぇ」 ・・・ ・・ ・ 提督「ヵ・・っ!・・・ッ!」 何処かで聞き覚えのあるお爺さんの声がした。 雷「ぅ・・・ん・・・?(誰?よく、目が見えないわ・・・)」 提督「ヵ・・っち!いか・・・!」 ぼやけた視界に移る白い制服姿はよく知るあの人と同じで まるで私を迎えに来てくれたように見えた。 雷「し・・・れー・・・かん?」 提督「雷!大丈夫か!?私の声が聞こえるか?」 司令官じゃ・・ない。・・・あれ? 雷「・・・え?・・・おじ・・さま?何で・・」 提督「!よかった。生きていてくれて。」 ぎゅうっと抱きしめられる。 人のぬくもりを感じるのはどれくらいぶりだろう。 ふと目頭に熱いものがこみ上げてくる。 雷「あっ、いけない、おじさまのお洋服がよごれちゃうわ」 提督「構わないさ。・・・よかった。」 提督「・・・そうだな。年頃の女の子がこんな恰好じゃいけない。翔鶴、タオルと着るものを」 翔鶴「は、はい。今お持ちしますね!」 雷「あ、私・・・」 今になっていろんな感情が沸き上がり、どうしていいのかわからなくなった。 提督「大丈夫だ、もう大丈夫。安心しなさい。」 フルフルと震える私をやさしく撫でてくれる大きな手に、訳も分からず泣いて縋り付いた。 雷「司令官がッ・・みんながッ・・・・あぁぁぁーーーー!」 雷が泣きつかれるのを見計らい、翔鶴がおずおずと戻ってきた。 翔鶴「あの・・・提督・・タオルとお召し物です。」 提督「あぁ、すまないが頼む。」 翔鶴「はい・・」 ・・・ ・・ ・ 歴史をなぞっている。 深海棲艦との戦いはかつての大戦を彷彿とさせるものがあった。 如月の装備を指示しなければ撃沈されていただろう。 天龍に対潜装備をさせなければやはり危なかった。 先手を打ち、大井北上にさらなる重雷装の指示を出さなければ 物資枯渇にあえぐ帝国は高速輸送艦への改装を指示するはずだった。 改変が可能だということに気付いた私は、秘密裏に暗躍し 次々に敵を追い詰めることに成功した。 例え汚い手を使ったとしても。 深海棲艦との戦いが終われば、艦娘たちが接収されるのは明白だった。 軍上層部に取り入り、私の所属する鎮守府は監視の元、現状維持となった。 深海棲艦の封印作戦に投入された特殊部隊、その唯一の生き残りである自分は 軍にとっても切り札として温存しておきたかったのだろう。 あの日、最精鋭の艦娘たちと共に、最精鋭の術者も随伴した。 本来術者と言えど艦娘や深海棲艦に干渉することは不可能だった。 しかし追いつめられた帝国海軍は、狂気の作戦に出た。 当初の作戦では封印などではなく殲滅だった。 術者ではないが大将が3人も随伴する大規模な決死の共同作戦。 一介の少佐に過ぎない自分に声がかけられたのは術師だからという単純な理由だろう。 ヒトマルマルマル、開戦と同時に艦娘たちによる一斉射に敵深海棲艦は大破し、優勢かに見えた。 自然治癒により、徐々に劣勢になっていくことになる。 多数の犠牲を出しつつ、常に援軍のやってくる深海棲艦をじわじわと追い込む。 撃沈したはずの戦姫もいつの間にか無傷で戻ってくる。 悪夢のような戦場だった。 フタマルヨンマル、友軍による波状攻撃についに魔の海域の発生ポイントまで戦線を押し上げることに成功。 術者を投入しての浄化作戦が発令される。 そして開始3分、あの光を思わせる発光現象のあと、最前線のほとんどが蒸発。消滅した。 自分だけはこの日を予想していた。 上層部に対策を具申したが棄却された。 いや、大事の前の少佐の具申など取り合ってすらもらえなかった。 対策をしていた私の乗った艦と艦娘、そして私の言葉を信じてくれた友軍を残し、 最前線は文字通り蒸発した。 それを目の当たりにした大将たちは取り乱し、指揮系統は瓦解。 通信は混乱していた。 予想通りの展開か。一つため息をつき、全艦に指示を出す。 提督「大将旗艦との通信を切れ。我が艦隊は如月を旗艦としこれより封印作戦に移行する。」 如月「お呼びかしら?如月、最大戦速、出撃します!」 ・・・ ・・ ・ そうして封印はなされた。 最前線にいた他の術者の張ろうとした結界を再利用させてもらった。 通常の術式は彼女たち深海棲艦にはあまり効果がない。 そこで彼女たち自身の力の源を利用させてもらう。 術式に織り交ぜ、組み込み、結界を成した。 彼女たちの負の感情が強ければ強いほどより強固な結界となるように。 いつかその魂を救いに来ると心に誓いながら。 如月「司令官?」 提督「あぁ、すまない。少しボーっとしていた。」 また一人、提督を失い海軍に反旗を翻そうとする艦娘の艤装を解体した。 場合によっては解雇された元提督をも相手にすることもある。 それが今の仕事だった。 我が艦隊の艦娘を守るためとはいえ、正直気が重い。 世界を救った英雄と称され、中佐へ昇進すると同時に 危険分子として疎まれるようになった。 本来大佐になってもおかしくない功績だったが、上層部は私に恐怖した。 今までこうなることを危惧して程度に演習で負けたりしていたが、 案の定飼い殺しの状態だ。 秘書官の如月の艤装だけ武装解除の上に厳重に保管されている。 事実上の更迭であり人質と言えよう。 普段は見えないピンクのハート形のカギ・・・艦娘保護チョーカーなど 艦娘のシステムを構築する上でかなり尽力した功績も今となっては枷でしかない。 如月「司令官。大丈夫ですわ。如月はずっとお傍に」 そっと頭を胸に抱き寄せられる。 甘い香りにしばし癒される。 提督「・・・ありがとう。如月、ゆこうか」 如月「はい、司令官。」 ・・・・今日の相手はかつての上官にしてあの戦いの友軍。・・・元大佐の所だ。 ・・・ ・・ ・ 雷「ここ・・は?」 目が覚めるとふかふかのベッドに寝かされていた。 辺りを見渡すとアンティークな家具やランプなどがある。 ふと横を見るとすやすやと女の子が座りながら眠って・・・ 雷「電!?電なの!?生きていたのね!」 驚きとうれしさのあまりガクガクと揺する 電「はわわっ!?何事ですか!?地震ですか!?」 電「ふわっ!?だ、大丈夫なのですか!?怪我はないのですか!?」 今度は私がゆすられる。 雷「だ、大丈夫だから、落ち着きなさいっ」 電「生きててよかったのです!ぐすっ」 雷「それはこっちのセリフよ!もう、心配したんだから。」 ---後から聞いたところによるとどうやら電は司令官からもしもの時のために かつての上官を頼るように言い聞かせられていたみたい。 私が無理しすぎないように見ていてほしいって・・・。 司令官ったら、私がいないと何もできないくせに・・・こういうとこだけ・・・・。 あの日、電はいなくなったんじゃなくて、ずっと探していたその上官の居場所がわかって 助けを求めに行っていたとか。 電「すぐに戻れるはずだったのですが、色々とあって遅れちゃったのです。」 雷「結局、電に守られちゃったね。ありがと、電」 シュンとする電を元気づけようととっさにお礼を言う。 電「そんなことないのです!私はずっと守られっぱなしで何もできなかったのです・・・」 雷「そんなことないわ。ありがとね、電」 ひしっ、と抱き合ってちょっと泣けてきちゃうじゃない? 提督「あー、おほん。雷、加減はどうだ。」 雷「あ、おじさま。」 はわわ、とわたわたと電が恥ずかしそうに離れるのがちょっと微笑ましい。 雷「助けていただいてありがとうございました。」 提督「いや・・・、もっと早く救ってやりたかったんだが、戦後の騒乱で行方がつかめなくてな。 ・・・すまなかった。」 そういったおじさまの顔は悔しさでゆがんでいた。 雷「おじさま、笑って。私は大丈夫だから!」 提督「そうか、あぁ、そうだな。雷は強い子だったな。」 雷「そうよ!なんでも私に任せなさい!って」 まだ大切なものはなくしてなかった。 今度こそ守って見せる。 へこたれてなんていられないんだから! 電「い、電の本気もすごいのですよ!」 むん!と胸を張って電も主張する。 提督「ふむ、まだまだ育ちは足りないようだがね?」 電「せっセクハラは駄目なのです!」 胸を隠して照れた後、からかわれたと気付いた電が ぽかぽかとおじさまを叩く。 提督「ふっふっ、きかんな」 提督「--おかえり、雷、電。お前たちは今日からここの子だ。」 きょとんとした電と一瞬見つめ合い、二人で力強くうなづいた。 雷・電「はいっ」 ・・・ ・・ 雷「とっても広いお屋敷なのね。」 ここ数か月しっかり療養をとって歩けるまで回復した私はお屋敷を散策することにした。 さっきからずっと廊下を歩いているけど、全然行き止まりにたどり着かない。 電「そうなのです!畑に田んぼに、大きな噴水のある池もあるのです!」 雷「畑に田んぼ?なんでそんなのがあるのよ?」 電「えっと、おじさまは提督をやめてしまわれたようなのです。」 電「それで艦娘たちを養うためにお庭を開拓して・・・」 雷「食料を自給自足してるのね?」 電「なのです!私たちみたいな艦娘をいっぱい受け入れてくださってるのです!」 雷「そっか。」 司令官、なんでもっと早くおじさまのとこに・・・。ううん、あの人のことだからきっと・・ ふと見上げるとおじさまらしき人影が出てくるのが見えた。 雷「おじさまかしら?」 電「あれ?また新しい艦娘が来たみたいなのです」 ・・・ ・・ ・ 若い提督「お久しぶりです。大佐。いえ、元でしたね。」 大佐「壮健そうだな。中佐。噂は耳にしている」 中佐「・・・そうですか。では話が早い。」 中佐「匿っている艦娘を軍に引き渡していただきたい。これは軍上層部からの命令です」 大佐「・・・断る。私はもう軍属ではないのでな。従う義務はない」 中佐「はぁ・・・やはりそう来ますか。」 中佐「如月、私のそばにいなさい。(ボソッ)」 如月「ッ!はい・・」 提督の力になれず如月はギュッと唇をかむ。 中佐「かつて無敗と詠われた提督相手に正直気乗りはしないのですが、いたし方ないですね。」 大佐「フッフッ、常勝ではなく無敗か。勝ちに行かず、艦娘生存第一に守りに徹しただけよ。」 大佐「翔鶴!瑞鶴!第一艦隊は輪形陣にて迎え撃て!」 翔鶴・瑞鶴「了解しました!機動部隊、出撃!」 中佐「はっはっ、艤装にフル武装ですか!よく軍の接収を逃れたものです」 中佐「さらに艦娘は水がなくてはその力の半分もでない。考えましたね大佐」 大佐は庭の中央に位置する噴水の池に陣取り、輪形陣にて陣取っていた。 海ではないので威力は出ないが、それでも陸で戦うよりも数倍はましだ。 中佐「大井北上!それに島風!単縦陣にて水路に魚雷を放て!」 島風「にひひ、それじゃいっくよ~」 大井「了解!九三式酸素魚雷、やっちゃって!」 北上「大井っち張り切ってるねぇ~。いっちょ私もやってみますか!」 ・・・ ・・ ・ 雷「ねぇ、なんか変じゃない?いきなり砲雷撃戦始めちゃったわよ!?」 電「はわわ、大変なのです!」 雷「何か手は・・・ねぇ、なにか武器になるものはないの!?他の艦娘たちは?」 電「えっとえっと、他の艦娘たちは偽装が軍に押えられてて戦闘できないのです。」 雷「じゃあ武器の方は?」 電「その・・・実はおじさまが内緒って言って教えてくれたのですが、 軍からこっそり私たちの艤装を回収してくださってるのです。」 雷「さっすがおじさまね!電!支援砲撃、するわよ!いけるわね?」 電「任せるのです!」 ・・・ ・・ ・ 中佐「さすが空母艦隊で名を馳せただけはおありだ。対空装備満載でもしのぎ切れませんか」 軍の信頼のない自分には動かせる主戦力も少ない。 とはいえ共に戦った練度の高い娘たちだ。攻めに転じない相手に引けは取らない。 大佐「そちらこそこちらの艦攻艦爆特化をいなすのは神業ではないか」 中佐「これもあなたから教わったことですよ、大佐」 にやりと笑う 大佐「陸地とはいえなかなかにきれいな回避運動だ。」 大佐もまた笑っていた。 久々の艦隊戦にお互い高揚している。 中佐「ですが、これでチェックです!イク!ゴーヤ!」 ドドォォ・・・ン!! 激しい水柱を上げて翔鶴に命中する。 大佐「なっ、潜水艦で挟撃だと!?バカな!・・・!!・・水路か!」 中佐「ずいぶんと深く立派な池が仇となりましたね?大佐」 中佐「すみません。念には念を入れてと思いましてね。」 大佐「くっくっ、まったくその通りだな。翔鶴!瑞鶴!潜水艦に艦攻雷撃!」 瑞鶴「翔鶴姉は沈ませないんだから!」 中佐「まさか!応急修理女神!?妖精もまた軍に接収されたはずでは・・!」 中佐「しかも女神をつける分の装備を削ってなおその戦力だと!?」 伊19「ひゃぁ~なのね~」 伊58「痛いのでち~」 く・・・、いくら深い池とはいえ深度が足りずに正規空母の攻撃が届くか。 ドドドドドッ 島風「ひゃっ!?やーめーてーよーぅ!」 中佐「追い打ちに援護射撃!?何処から・・・まだ戦える艤装を持った艦娘がいたのか。」 中佐「軍の手から逃れここまで戦力を温存していようとは・・・どうやら貴方を侮っていたようだ。」 大佐「(いや、これは・・・・・そうか、あの子たちか。)」 大佐「これで詰みだ。大人しく引き下がってもらおうか。」 中佐「・・・残念です」 中佐「と、いうのはまだ早いですね。・・・隠し玉もあなたからの教えだったのをお忘れですか?」 ヒューンヒューン・・・ドドドドドッ 大佐「これは!!戦艦クラスの援護射撃か!?しかも海上からの!」 中佐「これでチェックメイト・・・ですね。大佐。」 瑞鶴「翔鶴・・姉ぇ・・」 旗艦の翔鶴をかばい、瑞鶴は大破。他艦娘も今の砲撃で満身創痍だった。 翔鶴「く・・・まだ、やれます!提督!」 ボロボロになってなお立ち上がる翔鶴は、提督を守るために必死だった。 残った発艦済みの艦載機で最後の突撃に出るつもりなのだろう。 大佐「いや、もういい。翔鶴。私の負けだ。」 中佐「大佐の空母艦隊の腕も健在か。この分なら大丈夫そうだ。」 中佐「・・・では、私の話をしばしお聞き願いたい。」 大佐「?構わんが、何を・・」 ・・・ ・・ ・ 雷「大変!おじさま負けちゃったわ」 電「助けに行くのです!」 雷「待ちなさい!私にいい考えがあるわ」 ・・・ ・・ ・ 大佐「つまり、クーデターを起こすのだな?」 中佐「ええ、そういうことになりますね。」 現在、深海棲艦の封印は自分の術によるものだった。 いつでもその術を解くことは可能だ。 深海棲艦の脅威が再び襲って来れば、この平和ボケした国も少しは目を覚ますだろう。 かつてお国のため、未来の子供たちのために戦った英霊。 彼らの行いは間違っていたがその願いは賛同できる。 しかしその切なる願いも子供たちには伝わらず、平和な国といわれながら 内実中身は腐りきっていた。 自分さえよければいい、気にくわなければ他人を批判する。 あの時彼らが望んだ平和な世界にするための戦いは、完全に無駄だったと言えよう。 刻一刻と戦力となりうる艦娘たちも減っていっている。 事を起こすならもはや猶予はなかった。 しかし、如月の艤装を押えられていたのでは事を起こせない。 そこで協力者となるだろうある者を探していたら、一人の艦娘に行き当たった。 彼女に出会ったとき、すでに目当ての提督は彼女の腕の中で死んでいた。 海軍の同期だった男だ。 あの晩解体した艦娘こそ彼女だった。 ちょうど彼女が提督と共に海に身を投げている頃だろう。 救えなかったという苦々しい思いを噛みしめ、次の候補、大佐に会いに行くこととなった。 彼の所在は最初からつかめていた。 それでも彼は裏で手を回したのかなかなか軍が介入できなかったため、 表だって会うことも不可能。 それでも望みはもはや彼に託すしかなく、今回の強襲と相成ったのである。 中佐「今深海棲艦の脅威が復活すれば、必ず提督と艦娘は救われます。」 中佐「そして、人手不足となった軍は広く提督となるべく若者を徴兵するでしょう。」 そうすれば、きっと彼らも平和の大切さと、国を守るという誇りを取り戻す。 国とは民だ。民が腐っていては国は成り立たない。 共に助け合い、慈しむ心無くして何が平和か。 中佐「あなたもお感じになったのではありませんか?現状の提督たちや艦娘たちを知っておいでなら」 大佐「しかし、彼(か)のお方がいずれきっと・・・」 中佐「・・・彼のお方は傀儡です。謁見した際に少し試させてもらいましたが神気を感じない。 かつての大戦の敗戦で人へ堕とされたのでしょう。」 中佐「それにお優しすぎた。あれでは軍を制御することは不可能でしょう」 大佐「そうか・・」 深い沈黙の後、大佐は静かにうなずいた。。 大佐「この国のため、未来の子供たちのためにもう一度立とう。」 中佐「では!」 大佐「あぁ、深海棲艦(奴ら)を叩き起こすぞ!」 中佐「了解しま・・」 雷「せーの!てーーーーい!!!」 電「やぁーーーーなのです!!」 べしっばきっ 中佐「ぐほぁっ」 電「殺ったのです!」 雷「電・・・字がおかしいわ。はっ、おじさま!ご無事ですか!?」 大佐「二人とも・・・ふっ、ふっはっは。見事敵将を打ち取ったな」 えっへんと胸をそらす二人だった。 中佐「いつつ、酷いじゃないか雷、電」 雷「あれ?・・・おにーさん?」 電「なんでお兄さんがここにいるのです?」 如月「司令官!ご無事ですか!?何かすごい音が・・・」 外で待機していた如月が慌てて飛び込んでくる。 雷「あーっ!如月じゃない!久しぶりねー」 如月「えっ、えっと、お久しぶり・・ね?って、ふぁぁああああっ!?」 混乱気味な如月は雷に押されっぱなしだ。 雷はぴょんこぴょんこ跳ねて如月を振り回して喜んでいる。 中佐「よかった。二人とも無事だったんだな。大佐にお前たちの所在の情報と艤装を 軍に気付かれないように流したが間に合ったようだ」 大佐「あれはやはりお前だったか。おかげでギリギリのところで間に合ったぞ」 どうやら大佐には今回の自分の訪問の内容もすべて予想されておいでか。 さすが我が師、といったところか。 先ほどの”演習”も小手調べをされていたのは自分だったようだ。 雷「そっか。みんなが私たちを探してくれていたのね・・・」 電「そうだったのですか・・」 中佐「あぁ、それに・・・(ヤツの愛したあの娘との最期の約束だったからな)」 翔鶴「ムー!ムーーーー!」 雷「そうだった!何故か邪魔してきた翔鶴さんを縛り上げちゃったんだ!」 しかも仕事仕込みのキツイ亀甲縛りで。 大佐「やれやれ、翔鶴は私が何とかしておこうか。」 翔鶴「んん!?ふむーー!んふっ/// んん~~~~~!」 と言いつつ何処に手を突っ込んでるんだ師匠! ムニムニと胸を揉みしだかれ、荒縄ですでに出来上がっていたのか 翔鶴はどう見ても達していた。 瑞鶴「あっ、翔鶴姉だけずるいっ・・・じゃなかった。提督さん、私も一緒に行きます!」 電「それじゃ、私はお兄さんとお茶でもするのです!///」 雷「それいいわね!私も参加するわ!」 北上「ちょっとー、私たちもわすれないでよね?もう~」 大井「とかいって北上さんちゃっかり入渠してたじゃないですか」 北上「そんなこといって、大井っちなんて提督とられないかしらってそわそわしてむぐmぐう!?」 大井「わーっわーっ!北上さん!クッキー!そう、魚雷クッキー美味しいですよ!? ささっ、遠慮なさらずに!」 島風「てーとくーーーーかけっこしよーーー!って、あー!私のてーとくとらないでよー!」 ・・ ・ しばらく如月は艦娘たちに囲まれてる中佐を幸せそうに見ていたが ふと中佐と目が合う。 くすっと笑いあうと、お互いの言いたいことはなんとなくわかった。 窓の外を見上げると雲一つない晴れやかな空が広がっていた。 如月「いい風」 ふわっと桜の花びらが舞い上がった。 「ありがとう」 一瞬、その中に雷たちの艦隊の秘書官が笑っているのを見た気がした。 彼女の魂は救われただろうか。 同じ秘書官として痛いほどにその気持ちがわかる。 如月「(ずっと.....おそばに)」 そっと指輪を抱きしめた。 ・・・ ・・ ・ 榛名「遠距離支援はこんな感じでいいのでしょうか」 金剛「バッチリなのデース!これで提督からご褒美もらえマース」 榛名「あの・・金剛お姉さま、その時は私もぜひご一緒に・・・(モジモジ)」 青葉「あ、青葉も・・・その・・」 金剛「青葉はいつもこっそり提督に愛されてるからダメデース!次こそは私の番ねー」 青葉「ばれてっ!?はぅ///(テレテレ)」 榛名「榛名も!できれば混ぜてほし・・・(モジモジ)」 曙「----私たちの支援攻撃・・・成功したかしら?」 曙「ちゃんと無事帰ってきなさいよ?クソ提督♪」 春一番がさわやかに吹き抜けた。 +後書き 444 :名無しさん@ピンキー:2014/04/04(金) 19 17 42.38 ID bfaOzMZw 以上です。 連投規制に負けましたorz 支援ありがとう 思いついたプロットを追いかけるので手いっぱいで駄文になってしまった。 そして長文申し訳ない。 島風編はこの後まだ続きを書く予定だけど 攻略前の時代にさかのぼるので少しややこしいかもしれない。 時間の流れ 6-538の話→8-84の話→今後書く話→今回の話→それ以降書くかは未定 あと気づかれないと思うけど、最初に雷を買ってた二人のうちの一人が浮浪者です。 そしてもう一人がどうなったかというと艦娘を壊しすぎて怖い人たちに連れてかれました。 まだしたらばで書いた発情青葉さんのちょっと手直し版とか 今回登場でいきなりデレな大井っちが どうやって落とされるか(やっぱりちんぽには勝てなかったよ)とか そうなるように仕組んだ北上さん(提督に惚れちゃった)とか 潜水艦たちの濡れ濡れお風呂奇襲作戦とか まだ登場してない潮とか夕立とか愛宕とか羽黒とか雪風とか睦月とか漣とか阿武隈とか夕雲型とか つまり可能な限り出したいです ちなみに大佐はあの後翔鶴さんを”そのまま”お持ち帰りして瑞鶴さんを交えてしっぽり楽しんだとか。 そして雷と電はしばらく後、「ゴーイチゴー・クーデターを成功せよ」という任務の報酬として正式に中佐の艦隊に所属して、 中佐争奪戦に参加したとかなんとか。 あ、潜水艦ズはお仕事終わったからそのまま本来の仕事の深海棲艦の警戒任務に戻ってます ちゃっかり中佐にあとからご褒美もらってるけどw 448 :名無しさん@ピンキー:2014/04/04(金) 23 53 16.19 ID vehNUyuT 内容が内容だけに、単純にGJという言葉が言いにくい。 だが、このシリーズは好きで、あれこれ三次妄想が捗る。 苦海という海に沈んだ艦娘たちが深海棲艦として人類に反旗を翻したら どうなるだろうとかすごく鬼畜なことを考えずにいられなかったり 452 :名無しさん@ピンキー:2014/04/05(土) 11 29 04.11 ID IzvpPj2S 448 戦争が元ネタだから少し自分に対する戒めも込めた内容にしたんだけど ちょっと雷可哀想すぎかなと少し反省してる 雷は史実で ・イギリス兵救助 ・アメリカ潜水艦に撃沈される(jap駆逐を魚雷と一緒に処分したと報告される。しかも電と勘違いされてる) 戦争だからおかしくないんだろうけどなんとも・・ね 作中の凌辱部分はこの史実を意識してます。 中佐が介入しないとあのまま終わってたはずです なんかこのままだとかわいそうなので雷の話の後日談考えておきますね
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「そろそろトドメを……刺しちゃおっかなあ!」 自信に満ちた号令一下、迷彩カラーのカラクリ飛行甲板が寄せ木細工のように複雑な変形をみせる。 中から飛び立った艦爆隊は、千代田の操り糸に導かれ華麗に空を舞い、敵旗艦を西方海域の藻屑と変えた。 「やったぁ! この艦載機運用能力、正規空母並みよね! 千歳お姉っ、ちゃんと見てた?」 「もう、千代田ったら。調子に乗るな、っていつも私に言ってるくせにはしゃいじゃって……」 「ごめんごめん。でも千歳お姉の艦攻隊もすごかったよね~。先制打撃で敵、もうボロボロだったもん」 実際、“改二”に改造されてからの彼女たち姉妹の活躍はめざましいものだ。 水上機母艦から甲標的母艦を経ての長い道のりだったが、ここまで育ててきて良かったと心から思える。 うむ……しかし、それにしても……。 「現海域に残存敵戦力、認められず。付近の警戒を続けつつ母港に帰投しますね、提督」 『……あ、う、うん。ご苦労様』 そう呼ばれて、思わず返事がワンテンポ遅れてしまったのは、 哨戒機から送られてくるリアルタイム映像にいつのまにやら見入っていたからだ。 それが偶然映し出していたのは―――千歳と千代田、ふたりの胸部装甲部分のアップだった。 たゆん。 ぽゆん。 (大きくなってる……よな) 元々肉付きのいい千代田は勿論、千歳もスレンダーな体に比して胸はしっかりある方とは思っていたが。 こと航改二になってからというものの、どうも今まで以上の重量感、威圧感を感じるというか……。 戦闘中の“揺れ”や、秘書艦として働いて貰っている様子を見るにつけ、どうもそんな考えがぬぐえない。 (はっ……いかんいかん。何を考えてるんだ俺は。欲求不満なのか?) いや確かに、最近は夜遅くまで執務をしている上に、大抵そばには秘書艦の千歳がいる状態だから、 セルフ処理する機会があまりなくて溜まっていると言えばそりゃ溜まっているのだが……。 ともあれ、くだらない考えは脳裏から追い払って、雑務に戻りつつ艦隊の帰りを待つことにしたのだった。 「今日のぶんはこれで一段落……か。すまんな千歳、いつも遅くまで付き合わせて」 「お気になさらず。提督こそ、毎日お疲れ様です」 片付けた書類の山を前に、あくび半分で伸びをすると、千歳がすかさず旨そうな煎茶を淹れてくれる。 ありがとな、と礼を言ってそれを啜っていると、執務室のドアがノックされ、意外な訪問者がやってきた。 「ん、千代田か。千歳を迎えに来たのか? それならちょうど終わった所だ」 仲が良すぎるほどに仲の良い姉妹のことだから、その行動自体に不思議はなかったが、 後ろ手に扉を閉めた千代田の、ややうつむいて頬を染めた奇妙な表情が、おや? と俺に不審を抱かせた。 こんな態度の彼女を見るのははじめてだった。 「ち、千歳お姉……夕方言ってたこと、ほ、ほんとにするの……?」 「ええ、もちろんよ。気が進まないなら、千代田は無理に参加しなくてもいいんだけど?」 「そ、それはもっと嫌なの! 二人きりでさせたら提督、お姉に何するかわかったもんじゃないし!」 俺の方をちらちら見ながら、なんだか妙に余裕のない妹と、マイペースにそれをいなす姉。 「ええと……すまん、まったく話が見えないんだが」 「あ、置いてきぼりにしちゃってごめんなさい提督。実は私たち―――」 座ったまま呆然としていた俺に、いきなり千歳が笑顔で距離を詰めてきて……次の瞬間。 ぽふっ……むにゅうぅっ。 布ごしに触る大きな水風船のような、ウォーターベッドのような……それともエアバッグ? えもいわれぬ心地よいまろやかさが突然、俺の頭部をすっかり覆うと同時に、視界を奪っていた。 ……な、なんだこれは、何が起こったんだ!? 「―――提督の欲求不満、その処理のお手伝いをさせてもらおうかなぁと思ったんです」 「うう……あ、あたしは千歳お姉がやろうって言うから、付き合ってあげるだけだからね!?」 「わかったから、千代田もはやくこっち来なさい、ほら」 「……っ! ああもう、なんであたしが提督相手にこんな……!」 む、むにゅにゅっ……と、新たなふたつの圧迫感がためらいがちに後頭部からやってきた。 服ごしにもはっきりわかる、計4つの柔らかな大ボリューム。 俺の顔は今、姉妹の乳房、予想以上のサイズのそれらに全方位から余すところなく包まれているのだ。 しかもこの感触、間違いない。前から疑っていたがふたりとも、ノーブラ……! 「ふふ、提督。改二になってからずっと、私たちの胸、ちらちら見てたでしょう?」 「いやらしい目つき、わかってたんだからね!? だから注意しなきゃってお姉に言ったのに……」 ……な、ば、バレてたのか!? と、予想外すぎる現状に半ば金縛り状態になっていた俺は、 心地よいゆりかごのような感触と良い香りにぼんやり酔いかけた頭で、今更ながらマヌケに驚く。 「ずっと我慢してるんだから無理もないですよね、提督? だったらこれも秘書艦の務めかなって」 もにゅもにゅと押しつけられる柔球が、顔の輪郭にあわせて縦横無尽に形を変え、 「あ、あたしは関係ないのに……ともあれ、やるからにはちゃっちゃと終わらせるから!」 千歳が抱き寄せているのか、不服そうな声とは裏腹に千代田の肉感はむにむにと後頭部を強く圧迫する。 「すぐ済むかしら? 提督が満足するまでたっぷり搾り取ってあげないといけませんからね―――」 いきなり二人が身を離し、天国のような拷問から解放される。 どこか楽しそうに微笑んで双球を手で持ち上げる千歳、不満げに顔を赤らめつつ腕で胸を寄せる千代田。 ゆさっ……ぽゆん、と目の前で、それぞれの巨乳が形をゆがめつつ蠱惑的に揺れた。 「―――この、わたしたち姉妹の……おっぱいで」 「あら提督、お疲れかと思ったらこんなに元気じゃないですか……すごい」 「う、うわぁ、なにこれ、グロっ!」 椅子に座る俺の前にかがみ込んだ千歳が、はちきれそうに反り返った肉棒を見て微笑む。 隣に立つ千代田の方は顔をそむけたが、ちらちらと股間に視線をやっているあたり興味はあるようだ。 面目ないことだが、この状況とこれからへの期待に、俺の高射砲はかつてないほどの仰角を見せていた。 「じゃあ、まずは……」 濃紺に金の模様をあしらったジャケット状の上衣は羽織ったまま、 一見着物風だがその実シャツのような構造をした白い服のボタンが、ぷちぷちと胸の下側だけ外される。 わずかに開いたその隙間から、白くすべすべした双丘の作る、むっちりした魅惑の谷間がのぞいた。 「ここから、千歳の生おっぱいの感触を楽しんでくださいね、提督」 そう言って俺の肉砲をそっと握ると、ぴとっ……と、下乳の“入り口”に赤黒い先端をあてがい、 早くも漏れている先走りを、ぬるぬると“穴”の周辺に塗りのばしていく千歳。 「うっ……! ち、千歳っ……」 敏感な亀頭がすべらかな肉の上を這う感触だけでもたまらなく気持ち良く、ビキビキと主砲が硬度を増す。 「はい、準備OK。じゃあ私のドックに“乳渠”させちゃいますよ、提督のおちんぽ艦……んっ」 ぬぶ、ぶ、ぬぷっっっ……! オスのローションをまぶされた肉棒が、極上のおっぱいオナホールに埋没していく不思議な快感。 女性器とは違う、かすかに汗ばみしっとりしたきめ細かな柔肌がまるで吸い付くように密着して、 もちもちした弾力を伴って左右から硬い男根を押し返してくる……他では味わえない未知の快楽だった。 「こんなに熱く、硬くなって……ふふっ、気持ちいいですか? 提督」 「もうっ……千歳お姉のおっぱいを好きにしていいのは、あたしだけなのに……!」 千歳がもにゅもにゅと服の上から両球をこねるたび、柔らかな、しかしずっしりした圧力がランダムに襲う。 なにやら不穏なことを言う千代田を気にする余裕すらない。気を抜くとこれだけで射精してしまいそうだ。 「次は千代田の番なんだから、ちゃんと見て参考にしないとダメよ?」 「わ、わかってるわよお姉……う~、こんなのの何が楽しいのか全然わかんない」 千歳のコントロールが、左右よりの圧迫から、上下にユサユサ揺する運動にギアチェンジした。 服を着たままというのも相俟って、手で握る以上の乳圧がみっちりと容赦なく、 そしてあくまで優しく、勃起主砲を包み込みシゴきあげてくる。 「くっ……くうっ……おぉっ……こ、この感触はっ……!」 たぱっ、たぱっと乾いた音が繰り返すたび、にちゅ、にゅちゅっと湿った音がそこに混じっていく。 極上の着衣パイズリにチンポが流す歓喜の涙が潤滑液になり、新しい刺激がまぶされるのだからたまらない。 「あら、提督。ふふふ、腰が動いてますよ?」 気付かないうちに、乳ズリに合わせて自分もピストン運動を始めていたらしい。 ギシギシと椅子が揺れ、硬く勃起した先端が胸元の布を破らんばかりに押し上げ、じわりと染みを広げる。 「む、無理もないだろ……千歳の、むねっ……気持ち、よすぎる……っ!」 「嬉しい、じゃあもっとサービスしちゃいますね? ほら千代田、提督にアレをやってあげて」 いつしか食い入るように姉の痴態を見つめていた妹が、びくっと反応し、 ぶつぶつ不満をこぼしながら、自分も服のボタンをはずして前をはだけた。 「……目、つぶっててよね。お姉以外に胸とか、見せたくないんだから」 「いやだからそれはどういう意味か詳し……わぷっ!?」 チンポを包んでいるのと同じ柔らかな手応え、いや顔応え? が俺の顔を直に包む。かすかな汗のにおい。 どこかヤケになったような動作で、ぱふぱふと巨大な生肉の水風船に挟まれ、こねくりまわされる。 姉のしっとりした美巨乳にパイズられながら、妹のたっぷりした生意気乳に顔をうずめている……! その贅沢な事実が、俺に残っていたなけなしの理性を吹き飛ばした。 「や、ちょっ……!? お、おっぱい舐める、なぁっ……! て、提督のバカぁ……っ!」 思わずすべすべした極上の肉に舌を這わせ、吸い、甘噛みする。驚きつつも逃げるまではしない千代田。 おっぱいに思う存分甘えるってのは、こんなに気持ち良く癒されることだったのか―――! 「ふふっ、提督ったら子供みたい。こっちの悪い子もい~っぱい、甘やかしてあげますね」 ラストスパートとばかりに、俺の興奮に合わせて、にゅぶっにゅぶっと激しく乳肉を上下させる千歳。 ぱちゅっ、ぬぶ、ぶぷっ―――と下品な音をたてて、天国の拷問具に追い詰められていく肉の主砲。 こみあげてくる射精感に必死で堪えながら、やや乱暴に千代田の広大な乳世界を探索する俺の舌が、 「……や、そっそこだめっ! そこだけはダメぇ~っ!!」 ほかと感触の違う部分……乳輪を越えて先端に到達した。だが、そこにあったのは、突起ではなく。 「千代田は、陥没乳首なんですよ、提督。舌でほじくり出してあげると、よろこぶと思います」 「なっ何教えてるのよお姉っ!? ……ひっ!? や、あっあッ、だめぇっ、舌でほじらないでぇぇ!?」 俺は下半身の爆発から気をそらそうと無我夢中で、穴に隠れた可愛い肉突起を探り当てた。 制止も聞かず、指が埋もれるような柔乳房を鷲掴みにして、両の乳首を交互にねぶり、吸い出す。 とたん、抵抗しようとしていた千代田から力が抜け、がくがくと背をそらしながら、されるがままになる。 「よ、弱いのそこぉ! だ、だからダメって言ったのにぃぃ……お姉のばか、提督のばかぁぁ……!」 「千代田ったら、いつも乳首いじりですぐイッちゃうんですよ。提督、一緒にイッてあげてください」 あっ、でも……と、叩き付けるように暴れる俺の腰を、柔らかな双乳で受け止めながら微笑む。 「―――濃ゆぅい精液をたぁっぷり出すのは、私のおっぱいの中に、してくださいね?」 「ううっ! ち、千代田、千歳……っ! 出すぞ、千歳の胸に、乳内射精(なかだし)するぞっ!」 「ふあ、んあぁぁ! お姉っ、あたしもきちゃう、おっぱいでイッちゃうよぉ! て、提督ぅぅっ!」 どぐんっ! と、背筋を痛いほどの快感が走り抜け、爆ぜた。 柔らかな谷間でとどめの乳圧を浴びせられた肉砲からの初弾が、胸元の布をその勢いで内側から押し上げた。 くぐもった音をたてて千歳の乳肉に、谷間に、服の中に……濃厚な白濁液がどきゅどきゅと撃ち出される。 「んっ、熱っ! て……提督の、すごくいっぱい射精してますよぉっ……! すご、まだ止まらない……」 「やっあっああっっ!? お、おっぱいイッてるのぉ、イッてりゅから、ゆ、ゆるひてぇぇ……!」 若鮎のように背をそらして絶頂する妹を乱暴に抱き寄せ、こりこりと勃起した乳首を強く吸う度に、 まるでそこから存在しないミルクが俺の体を上から下に通過でもしているかのように、 姉のたわわな乳性器の中へと、ぐつぐつ煮えたぎった数週間ものの大量スペルマがぶちまけられていく。 「う、くぅぅっ! うぉ……ち、千歳っ、ま、まだ出るっ……!」 「うふふ、提督ったらこんなに……千歳のおっぱいおまんこ、妊娠させるつもりなんですか?」 長い長い放出を終え、肉幹に残ったぶんまでを器用に乳圧で搾り取った千歳が、ゆっくり胸を持ち上げた。 にちゃあぁっ……と糸を引く谷間から、プルプルした白濁が震えながら押し出されて垂れる様子は、 まさに女性器の中に思う存分欲望を生出しした後の光景のようだった。 「はぁ、はぁ……う、うそ、まだあんなに大きいままなの……!?」 驚くべきことに、あれほど射精したにもかかわらず、湯気と粘液にまみれた俺の欲望は天を突いたままだ。 「やっぱり一回出したくらいじゃ全然みたいね。ほら千代田、交代よ」 「……ふえ? あ、あたしもやっぱやらなきゃダメ……? あうぅ……」 激しい乳絶頂の余韻にもはや抵抗の気力もなくしたのか、 上気してうっすらと汗の浮いたふたつの重々しい乳房を、千代田は無防備に俺の前へと差し出した。 すっかり引っ張り出された乳首が俺の唾液に濡れ、だらしなく尖っているのをもう隠そうともしない。 そんな妹の乳を姉に続いて犯すべく、肉の主砲に再び新鮮な血が流れ込むのを俺は感じていた―――。
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「ああ、しかし……」 栄えある長門型戦艦一番艦は、悲しげに首を振った。 彼女に誇りがある限り、彼女は己の心のままに従う事だけは、絶対にできなかった。 「結局のところ、卯月。お前と私では、好きという言葉の意味が違うのだ」 「……そんなコトないもん。うーちゃん、長門が大好きだから!」 「私もだよ、卯月。でも、それは……」 長門はそこでふと言葉尻を切り、目の前の彼女を、睦月型駆逐艦四番艦の卯月の事を、ほとんど睨むのに近い鋭さで見つめた。それは、飢えて干乾びた者が決して手の届かない場所に滴る水の一滴から目を離せないのに似ていた。 柔らかい臙脂色の頭髪から、膝の下まで。襟元の肌色、小さな頤、未発達の胸、眩しいむきだしの太腿。じろじろと、舐め回すような、それはそういう目つきだった。 「……長門、さあん」 不意に彼女はぴょんぴょん跳ねて、長門の前に立った。見上げる。背丈はその肩のところにも届いていない。 「卯月?」 「……うーちゃん、ね」 形の良い唇からちらと舌が覗いた。無垢な少女には酷く不釣合いな仕草だった。 「何を……うっ!? や、卯月、やめ……!」 長門は腰砕けになり、へなへなと床に座り込んだ。武装も、自慢の重装甲も役に立たなかった。 違うのは立った。 「いけない……卯月、私は……」 呻く長門の頭を彼女は優しく胸に抱え込んで、その耳元に、ぴょんぴょんと、理性の最後の壁を突き崩す言葉を囁いた。甘い声音はあらがい難い何かと禁忌とを同時に感じさせる、幼い少女のものだった。 「夜のうーちゃんはぁ……とっても凄いんだぴょん……?」 (続省略わっふる) これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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98 :名無しさん@ピンキー:2014/04/26(土) 18 36 16.50 ID k5VHUKhU 酒匂のセリフを聞いて思い浮かんだ即席SS、非エロ 鳳翔「提督、お疲れ様です、お風呂にしますか? ご飯にしますか? それとも・・・」 酒匂「さ・か・わ?」 ガタッ!! 「!?」 金剛「HEY! 提督ぅ~その子、誰ですか~?」 千歳「提督、ゆっくりお風呂でもどうでしょう?」 如月「司令官、如月が今・・・楽にしてあげる・・・」 榛名「提督・・・榛名には気を遣わなくても大丈夫です・・・」 三隈「提督、食事に行く? それとも飲みに行かれます?」 瑞鳳「半舷上陸で呑みに行っちゃう?」 鬼怒「じゃあ、肩揉んであげようか?」 伊19「てーとくー! イクが肩揉んであげるの~!」 鈴谷「晩御飯はなんだろね~・・・ね、提督」 高雄「えーと・・・どうしたら良いでしょうか・・・?」 大鳳「提督・・・疲れてない?」 酒匂「え? これってダメなの!?なんで~!?」 ワーワーギャーギャー 「・・・・・・」 鳳翔「お茶にしましょうか」 まだまだ増える 完 99 :名無しさん@ピンキー:2014/04/26(土) 21 48 47.85 ID boQCYhec 98 艦娘たちが窓から入ってきたり天井の羽目板外して降りてきたり、 はたまた床下から上ってきたり壁をぶち破ってきたり そんな光景を想像した 今日も鎮守府は平和だなあヽ(´ー`)ノ 100 :名無しさん@ピンキー:2014/04/26(土) 22 39 36.16 ID ncZlOkBM 艦娘からの嫉妬展開イイよね! 101 :名無しさん@ピンキー:2014/04/27(日) 05 46 01.74 ID CPFHMKLv 酒匂急便です
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前の続き 夜二十二時三十分。 通信司令室には私の他に霧島、愛宕、由良そして暁がいた。艦娘たちの顔には苦渋が滲み出ていた。いつものほほんと笑っている愛宕も厳しい表情だ。『翔鶴が沈む』、その通信を最後に第一艦隊からの連絡は途絶えた。本日の通信司令室の夜番の四人が再度通信を試みようとしたが、一向に繋がらないままこの時間になってしまった。 私はテーブルの上に広げている南方海域の地図を凝視する。第一が予定通りにサブ島沖に向かえたと仮定して通信を受信した時間で位置を推測した。そのポイントに赤のマジックペンでグルグルと円を描いた。 「通信の記録を聞く限り、充分な応戦は出来ていない…恐らく撤退を試みているはずだ。損傷も酷いだろう… 天候の良し悪しもあるがスピードも落ちているはずだ」 「敵も追随している可能性もあります。またレーダーも無事機能できているかどうかも分かりません… 最悪照明灯も使えないかもしれません」 霧島の言葉で生々しくその様子を想像した。ギリッと、私は歯を鳴らした。偵察とはいえ、それなりの準備をさせて第一を編成した。まだ未熟な翔鶴はいたがその分もカバーできる程の力量を持ったメンバーを編成したつもりだった。それでも、それでも翔鶴は―――――― 私は頭を振った。 「………救助隊を編成する。メンバーは、」 バンッとけたたましい音がした。音に驚き体が一瞬飛び上がった。後ろを振り向くと通信司令室のドアが壁にぶつけるほど思いっきり開けられており、そこには険しい顔つきの瑞鶴がいた。 「翔鶴姉が…翔鶴姉は無事なの?!」 瑞鶴は一直線に私の元へと早足で来た。このまま胸倉を掴まれそうな勢いだったが瑞鶴は私に触れずにただ不安と怯えの色の瞳で見上げてきた。瑞鶴は寮外へ出ることを禁止していたが、状況が状況な為に私はそのことを咎める気が全く起きなかった。 「翔鶴は――――――」 翔鶴が沈む。不知火の最後の言葉。それを今ここで瑞鶴に伝えるべきかどうか逡巡した。しかし瑞鶴は私の迷いを責めるように私の腕を掴んだ。 「翔鶴姉は沈んでなんかないよね!?」 私は目を見開いた。緊急事態が発生した際には艦娘たちの寮で緊急サイレンを鳴らしいつでも出撃ができるよう準備を整えさせることを徹底させていたが、事件の内容までは伝えずその時の通信指令室のメンバーで作戦を決め必要な艦娘を呼び出して事件と作戦の概要を説明していた。作戦に必要ではない艦娘がその事を知るのは任務が終わった後である。今基地にいないのは第一艦隊と第三艦隊だ。緊急サイレンがなれば第一か第二、またはどちらも危険な状態だとは分かる。しかし作戦がまだ考案中である今、通信指令室にいなかった瑞鶴が翔鶴のことを知るはずがないのだ。私は後ろに並んでいる夜番を睨みつけた。 「誰だ、瑞鶴に連絡したのは」 通信指令室の番をするものは通信の内容がどうであれ許可なく私以外に連絡することを禁止にしていた。例え出撃中の姉妹艦相手でもだ。私の威圧に四人の表情がさらに強張った。まるで息さえ止まっているように。暁は反射的に由良の後ろに隠れた。まさか、暁が? 「暁、お前が瑞鶴に連絡したのか」 由良の体からはみ出ている腕がビクンっと跳ねた気がした。由良は少し動いて私から暁を隔絶するように後ろに隠した。今は黒いタイツの足しか見えていない。 「落ち着いてください提督さん」 「由良、暁を庇うのなら――――――」 「ちっ違う!違うよ提督さん!」 由良を咎めようとした私の腕を瑞鶴はグイッと引っ張った。 「違う…なんとなくすごく嫌な予感がして……そしたら緊急サイレンが鳴ったから……翔鶴姉に何かあったのかと思って気が気じゃなかったの。瑞鶴は誰からも連絡をもらってないよ!信じて…」 「……暁?」 視線を戻すと由良の後ろから少しだけ暁が顔を覗かせていた。 「い……言いつけは破らない……のです……暁は一人前のレディーだもん…」 嘘はついていないように思えた。私は溜息を吐き、頭一つ分小さい瑞鶴を見下ろした。顔は伏せられて見えなかった。 「……やっぱり……翔鶴姉に何かあったんだ……」 絶望の色を隠せない呟きだった。美しい灰色の髪が小さく揺れている。武器を一切纏わない瑞鶴の姿は怯える人間と大差ない。私はその姿を哀れに思うと同時に疎ましく感じた。遥か昔、私が生まれるよりもさらに遠い昔、戦争という地獄の中を生きてきたのは人間だけではない。その人間たちと共に激動の海で戦ってきたのは、物言わぬ艦船だった。しかし魂は宿っていた。その魂が現代に蘇り艦娘として存在するようになった。艦娘たちは昔の記憶を忘れていない。各々の艦船の始まりも終わりも覚えており、姉妹艦と初めて顔を合わせた時は再会を喜ぶ。姿形は以前と異なるにも関わらず、初めて姿を見ただけでそれが誰だか彼女たちには分かるのだ。彼女たちの間には家族愛に似たものがあり、確かな絆があった。家族を守りたいと思い、困ったことがあれば力になりたい。危険に晒されているなら救いたい、と。その感情や気持ちは尊く喜ばしい。しかしここは軍であり戦場だ。感情に任せて行動した結果がいつだって喜ばしい結果を生み出す訳がない。むしろ最悪の事態を引き起こす可能性がある。部下を戦場に送り出す上官として、冷静な判断をしなければならない。そして私には次に何が起こるかを予測していた。 「提督さん」 より一層強く腕が捕まれた。瑞鶴は顔をあげる。先程まで感じていた怯えは瞳の中に見えなかった。 「瑞鶴も翔鶴姉を捜す」 予想通りの言葉だ。 「……お前は今は遠征も出撃も禁止されている身だ。寮内待機も命じている。これ以上勝手なことをするのなら――――――」 「だったら解体したらいい!」 その叫びに私は言葉を続けられなかった。瑞鶴は私を真っ直ぐに見据える。恐怖を感じるほどに真っ直ぐに。 「何もできず、何もやれず、戦うことも手伝うことも強くなることもできずにただ腐れ果てるというなら、私がここにいる理由も必要もない。さっさと私を鉄の塊にすればいい」 「瑞鶴、私は」 瑞鶴の真摯で真剣な様に私は気圧されていた。恐らく不知火の通信で動揺していたのだろう。いくら万全な準備と装備を整えても生きるか死ぬかの戦場、何度も艦娘たちは危険な目に遭って来た。それでも今回のように安否が全く分からない状況に遭遇した経験がなかった。それに私は、誰かが死ぬことにまだ慣れていない。こうやって艦娘たちを指揮する立場になったのもの元から軍に勤めていたからではなかった。深海棲艦が出現し始めてからしばらくして、議会の友人が私の元へ訪ねてきたのだ。どうやって調査したのかが不明だが、私には艦娘を指示し彼女たちの力を充分に発揮できる力があったらしい。黙って世界が滅亡して死ぬのを待つくらいなら、自分の未来の為にも生きたい、そう思ってこの仕事を引き受けた。深海棲艦と戦う為に集まった提督の中には私のように軍事関係とは無縁の場所にいた者も少なくはなかったが、大半は軍関係者であったりどこかの国で傭兵として暮らしていたことのある者だったり、戦いに身を置いた者も多かった。そのタイプの提督たちとは違い、私は死から遠い場所で生きていたのだ。 「提督さん、瑞鶴は、」 提督となって月日が流れた。戦術の勉強もした。それなりの戦果と功績を残した。艦娘たちからの信頼を得た。それでも私は、誰かが死ぬことにまだ慣れていない。もし慣れていたら、翔鶴を傷つけることも、瑞鶴を閉じ込めることもしなかったのかもしれない。 「瑞鶴には幸運の女神がついている。第一艦隊全員を基地に連れ戻す。私もちゃんと帰って来る。私は、私が――――――」 もし慣れていたら、 「瑞鶴が誰も死なせない!誰も二人目にもさせないし、私もならない!」 もし慣れていたら、自分の部屋に新しい鍵をつけることはなかったはずだ。 夢を、見ることはなかった。 「提督!見て見て~」 執務机でノートパソコンを操作している私に秋雲は声をかけてきた。目をディスプレイから離して秋雲を見ると、秋雲の顔ではなく男の顔が視界に入った。 「どうどう?上手いっしょ?」 その男はスケッチブックに描かれた私であった。一目見るだけで誰が描かれたのか分かるほど、秋雲の絵は非常に写実的だった。私がノートパソコンと睨めっこをしている様子が描かれていて、その私の周りにはデフォルメで描かれた開発妖精が踊っていた。秋雲は対象を忠実に描くことも秀でているが、コミカルなタッチのイラストを描くことにも優れていた。艦娘という立場でなかったら、芸術家か漫画家になっていたに違いない。 「相変わらず上手いな…」 「何なら額縁に飾って食堂に置いとこっか?」 「それは止めてくれ」 私が苦笑すると秋雲はカラッとした顔で笑った。 「基地にいる艦娘はみーんな描き終わったよ。深海棲艦もあらかた描いたんじゃないかな~」 「ほぅ…先日来た伊58もか?」 「もっちのろんさぁ!ほらこれ!」 ページが捲られると海に浮かぶ伊58が描かれていた。私の絵とは違い、愛らしさを感じられる。艦娘とは一定の距離を保つようにしていた私だったが、秋雲の絵は純粋に好きであった。それに秋雲は私に懐いていたが、そこに恋愛感情の類は見えなかったので秋雲とは気楽に接することができた。 「ねぇ提督~」 秋雲が甘えた声を出した。秋雲が何を言いたいのか私には予測できた。 「私はあまり建造運に恵まれないようでね… 海域でも出会えたらいいんだが、…すまない」 私の謝罪に秋雲は首を横に振った。 「まっ しょうがないよね~いいよ、秋雲さん気長に待てるし」 「極力早く迎えられるよう努力する」 あ、と秋雲は拳をポンと手の平の上に叩いた。 「なら暇潰しにさ提督、秋雲の絵を描いてよー」 秋雲はそう言って私に赤色のスケッチブックを差し出した。私は片手で拒否を示した。 「私はお前と違って絵心はない。それに、お前が暇でも私には仕事があるんだ…… そもそも、その書類の処理は終わったのか?」 私はテーブルの上にある書類の束を指差した。秋雲はフフン、と鼻で笑う。 「これぐらい朝飯前ってやつさぁ~終わって暇だったから提督を描いてたんだから」 「…絵を描く前に私に次の指示を仰ぐこともできたはずだが?」 「まぁまぁ!じゃ、お仕事くーださい」 私は溜息を吐くと机から立ち上がった。 「装備を開発するか。工廠に行くぞ」 秋雲もソファーから立ち上がるとドアへと向かい、私の為にドアを開けた。 「建造はしないのー?」 「資源の残りが心許ないから暫くは控える」 「残念っ」 私が執務室を出ると秋雲はドアを閉めた。私の隣に秋雲が立つ。 「明後日はカスガダマ沖海へ出撃だ。そこで会えるといいのだが」 「ん?そこって確か前に行ったんじゃなかったっけ?」 「最近カスガダマで深海棲艦が多数目撃されているようなんだ。撃滅させろ、と上からの指示だ。それとお前も第一艦隊の編成メンバーだから準備は怠るな」 「おっ りょうかーい!」 秋雲はピシッと敬礼をした。 「秋雲さんが連れて帰っちゃうからね~翔鶴も、瑞鶴も!」 数日後、カスガダマ沖海の最深部で秋雲を含む第一艦隊は敵を撃滅させ、運が良いことに翔鶴と出会うことが出来た。そして帰投途中、まだ生き残っていた敵の潜水艦が大破状態で航行していた秋雲を、轟沈させた。 私の指揮の下、初めて死んだ艦娘だった。 「提督さん?」 私を呼ぶ声に意識が戻る。黙ったままの私を気遣うような、心配しているような、そんな目で瑞鶴が私を見ていた。 「提督さん…顔が青いけど…」 「あ、あぁ………いや、気にするな。大丈夫だ」 私は頭を振った。瑞鶴は少し戸惑っていたが、変わらず私を真っ直ぐ見ている。 「…提督さんお願い、瑞鶴を捜索隊に入れて。絶対帰ってくるから」 瑞鶴の意思は変わらないようだった。私は初めて迎える艦娘は歴史を必ず調べるようにしていた。被弾が極端になかった幸運艦、瑞鶴。もしかしたら瑞鶴なら―――――― 私は口を開けた。 「提督?もしかして瑞鶴ちゃんを捜索隊に入れるおつもりなのかしら?」 柔らかい声が私の耳に届く。振り返ると愛宕がニコニコ顔で私を見ていた。 そのつもりだ、と私が返事をしようとする前に愛宕が言葉を重ねた。 「提督、通信内容は覚えていらっしゃいます?」 「通信内容?翔鶴が沈むと…」 「それ以外の、です」 それ以外?確か…… 『第一艦隊、こちら不知火です。サブ島沖海域には予定の時刻に到着。夜も間もないはずですが、この海域だけ昼のように明るいです…周りをよく見渡せますが…… 敵の気配はまだありません。注意して進みます』 『こちら不知火です。サブ島沖海域航行中、突然空に暗雲がたちこみ夜になりました。僅か一分です。…異常だ…何かおかしい、撤退を―――――― バァンっ ?!何の音!?攻撃か!』 確か、不知火の通信内容はこうだったはずだ。 「急に暗くなってすぐの襲撃… タイミングが良すぎる、恐らく敵の罠でしょうね」 「それは私も同じ意見だ」 「サブ島沖の敵は天候を操れるかもしれません。そこに夜戦で全く何も出来ない空母を捜索隊に入れるんですか?」 愛宕の言葉に頭を殴られたような気がした。愛宕はニッコリと私に笑いかける。 「提督、貴方は優秀な指揮官よ。だから落ち着いて冷静になって」 「………」 私は視線を瑞鶴に戻した。瑞鶴は私を不安そうに見上げている。 「……瑞鶴、お前を捜索隊にいれることはできない」 瞳が傷ついたように揺れた。 「そん…な、わ、…私大丈夫だから!暗闇で襲撃されてもちゃんと避けるから!」 「戦闘経験の豊富な赤城や加賀も夜戦では当たる時は当たる。瑞鶴、お前は特に…戦闘も演習も経験が浅い」 「…!だって、それは…!」 悲嘆にくれた目が私を責める目つきに変わる。そう、瑞鶴が弱いままなのは私のせいだ。私のワガママを全部瑞鶴に押し付けたのだ。 「……部屋に戻れ瑞鶴。…結果がどうであれ、必ずお前に知らせる。今はこれで身を引いてくれ」 しばらくの間瑞鶴は私を睨んでいたが、ついに諦めて私から目を逸らした。そのまま無言で私に背中を向けて、通信司令室から出て行った。私は後ろを振り返った。 「……愛宕、すまない。少し気が動転していたようだ」 「いいのよ、気にしないでぇ」 愛宕の微笑みにつられて私も小さく笑った。張り詰めていた空気が少しだけ緩み、霧島と由良、暁の顔もどこか安堵していた。コホン、と霧島が咳払いをした。 「司令、捜索隊のメンバーはいかがいたしましょう」 私は顎に手をあててしばし考えた。 「そうだな…ヴェールヌイ、比叡、金剛、雪風、妙高を呼べ。そして愛宕、お前が旗艦だ」 「了解で~す」 愛宕は敬礼をした。 「それでは他のメンバーの呼び出しをしてきます」 霧島は軽く会釈をすると隣の連絡室へと入った。私は由良へと足を進めた。由良の後ろに隠れている暁の腕がビクリッと動く。 「……まだ謝ってなかったな、すまなかった暁」 暁はおずおずと由良の背中から顔を出した。 「お前は指示にちゃんと従うやつだ。それは分かっていたが…少し感情的になっていたんだ。許してくれないか?」 由良に促されて暁は前へと体を出し、私の前に立った。 「……暁は大丈夫だから、…一人前のレディーだし」 私は暁の頭を撫でた。いつもならこうすると子ども扱いするな、と怒って手を払いのけるが、今は反抗しなかった。 「ありがとう、暁」 私が礼を言うのと同時に連絡室から霧島が出てきた。 「司令、連絡終わりました。すぐにみんな来ます」 「あぁ、分かった」 スー、ハー、深呼吸をする。さて、気持ちを切り替えよう。 五分もしない内に捜索隊のメンバー全員が通信司令室に集まった。私は横一列に並ぶ彼女たちを見渡し、頷いた。 「第一艦隊の捜索及び救出作戦を開始する」 艦娘たちの寮は基本的に個室が宛がわれる。中には姉妹と一緒の部屋を希望する者もいるので、その姉妹の為に少し広い部屋も用意されている。瑞鶴と翔鶴はその広い部屋に住んでいた。 真夜中の四時、もうすぐで夜も明ける時間、瑞鶴はただ一人暗い部屋にいた。ずっと窓の外を見ていた。瑞鶴の視線の先にはライトを灯して明るい港があった。その光を瑞鶴はただ見ていた。日付が変わる前に第一艦隊の捜索隊は港を後にした。瑞鶴も一緒に捜索隊に入りたかったが、提督は許可しなかった。瑞鶴の戦闘経験が浅いせいでもあるが、一番の理由は瑞鶴が空母だからだ。空母は夜は戦えない。敵の空母は種類によっては夜でも艦載機を飛ばしてくることはあったが、今の艦娘にはその力はなかった。空母は昼にしか戦えない。瑞鶴は今日初めて、自分が空母であることを恥じた。 「翔鶴姉……」 眠気は全く訪れない。それどころかずっと震えが止まらない。人間と人間が戦争していた時代、瑞鶴は幸運艦と言われるほど被弾が少ない艦だった。逆に姉の翔鶴は被害担当艦と言われるほど敵の砲撃をその身に受けていた。だからこそ、今回の出撃でも―――――― 瑞鶴は頭を激しく振る。 「大丈夫、翔鶴姉は大丈夫…大丈夫だもん……」 ジリリリリッリリリリリリリリリ! けたたましい高音が部屋に鳴り響いた。瑞鶴はギョッと体を強張らせた。音の出所を見ると、電話から聞こえた。電話!瑞鶴はハッとして慌てて走り出した。覚束ない手つきで受話器を掴みあげる。 「も、もしもし?!」 「瑞鶴さん?由良です」 由良。通信司令室にいた艦娘だ。彼女から電話がかかってくるということは、 「翔鶴姉は!翔鶴姉は無事?!」 瑞鶴の声は震えていた。心臓がバクバクとうなり、胸が苦しかった。死んでしまいそうだった。 「翔鶴さんは生きています」 生きている。その言葉が瑞鶴の脳にダイレクトに刺さった。 「ほ…ほんと?!ほ、ほんとに…?!ぶ、無事…?!」 「無事…とは言いがたいです。ほぼ轟沈寸前の状態らしいですが…とにかく生きています。意識もあるようです。他のみなさんも生きています」 ジワリ、と熱いものが目に浮かんだ。涙だ。受話器が手から離れた。 「うっ……う、うぇ……しょ……っ」 受話器は本体と繋がっているコードでブランブランと揺れていた。翔鶴が生きている。帰って来る。それだけが今の瑞鶴には救いだった。その嬉しさと安堵がさらに涙をあふれさせる。 「………っ うぇっひっく」 ツーツー。受話器から小さな音が鳴っている。しかし瑞鶴は受話器を本体に戻す場合ではなかった。だから由良が先に通話を切った。 朝日が昇った数時間後、捜索隊と第一艦隊が帰投した。その時も瑞鶴はまだ、一人で泣いていたのだった。 第一艦隊救出後しばらく、私はプライベートルームには帰らなかった。第一艦隊の報告からサブ島沖の調査をしたり、入渠中の翔鶴の見舞いに行ったり、議会に報告したり、色々していた。ゆっくりする時間が惜しくて部屋には帰らなかった。そして今、久々に部屋のドアの前に立っている。重そうな南京錠が侵入者を拒んでいた。私は首からペンダントを取ると南京錠のロックを外した。 カチリ。 ドアの鍵も外す。 カチリ。 私はドアノブを掴み、押した。ドアは簡単に開いた。一週間も空けていなかったはずだが、何処か懐かしさと物悲しさを感じた。私は靴を脱いで畳の上に足を乗せて踏み込んだ。閉めた襖の取っ手に手をかけて、サッと開く。 「おかえり」 窓の傍でスケッチブックを持ちながら椅子に腰掛けた秋雲が、いつも通りの笑顔で言った。 「……ただいま」 私は秋雲に近づいた。椅子のすぐ傍に立つ。 「描いていたのか?」 秋雲は首を横に振った。 「ううん、まだ」 「そうか」 秋雲は窓の外を見ていた。視線を辿ると演習場を見ているようだ。今、演習場では赤城と加賀が翔鶴と…瑞鶴を指導していた。 「……明日、瑞鶴を出撃させる」 茶色の髪が揺れ、エメラルド色の瞳が私を見上げ、そっか、と呟いてまた視線を外に戻した。 「良い天気だといいな~」 その声は嬉しそうでもあったし、物足りなさそうでもあったし、待ち遠しそうでもあったし、望んでいなさそうでもあった。 「……瑞鶴を描いたら、いなくなるのか」 私の問いかけに、秋雲はすぐに答えなかった。数秒、数十秒後にあのね、と声がした。 「……私自身、なんでここにいるのか分かんないんだー カスガダマ沖で確かに沈んだのに、気付いたら提督のこの部屋にいて帰投していた翔鶴を描いていた。ここには一度も来たこともなかったし、興味があった訳でもないのに」 何でだろうね? そう言って秋雲は私に笑いかけた。見慣れたしたり顔ではなく、何処か寂しそうであった。 「ま、でも翔鶴と瑞鶴はずっと描き残したかったし、会えるのを楽しみにしていたからね~カスガダマ沖で翔鶴に会った時は本当に嬉しかったよ」 秋雲がカスガダマ沖と言葉を発する度に私の心は暗く沈んでいった。それを察したのだろう、秋雲は静かに首を振った。 「提督のせいじゃないよ、あの時はみんな終わったんだ、って思ったもん。翔鶴だっていたし、…帰る時に攻撃を喰らうなんてこと今までなかったじゃん。油断していたのは提督だけじゃないよ。秋雲たちもそう。それに、あんなに大破してなかったら沈まなかったし、どっちかっつーと秋雲さんのせいだから、さ!」 秋雲がニカーっと笑った。沈んでいた気持ちがその笑顔で少し和らいだ。私は、秋雲の笑った顔が好きだった。そう思うようになったのはこの部屋で初めて秋雲に会った時だ。そして私は描き終わった翔鶴の絵を見て同時に恐れを感じたのだ。瑞鶴を描き終わったら秋雲はいなくなってしまうのではないか、と。 「………私はお前にずっとここにいて欲しかった。だから瑞鶴をずっと隠していた。…本当は、秋雲とこの部屋で会う前からいたんだ」 秋雲と再会する数日前、私は瑞鶴の建造に成功した。その時は瑞鶴に演習への参加をさせていたし、出撃も何度かさせていた。二度目の出撃で瑞鶴は怪我を負ったので入渠させ、翔鶴を出撃させていた。秋雲が瑞鶴の入渠中にここに来たことが、私を愚行に走らせた。私は瑞鶴を隠すことで秋雲をここに残らせようと思ったのだ。瑞鶴の所在を知らなければ、秋雲はきっと――――――そんな愚かな希望を抱いていた。 「うん。瑞鶴が基地にいるんじゃないか、って、何となく気付いてた」 私は目を見開いた。私はてっきり秋雲にはバレていないと思っていたからだ。秋雲は私の部屋にずっといて、部屋を出ようともしなかった。出たい、と言ったこともなかった。死んだ艦娘が戻って来たら周りは騒ぎになる。それを気遣っていたのか秋雲は外出する気配を見せなかったし、私も徐々に秋雲を外へと出したくなくなっていた。誰にも秋雲を見られたくなかった。むしろ、私以外に秋雲が見えるかどうかも定かではなかった。秋雲が私以外に見えない存在であるならば、「生きていない」と他人に証明されてしまうのなら、隠していたかったのだ。だから私は部屋に南京錠をつけたのだ。誰にも邪魔されないように、暴かれないように。 「だけどそうやって提督が瑞鶴を隠していても、こんな生活は長くは続かなかったんじゃないかなー」 「何故」 「秋雲が死んでから、もうすぐで四十九日だから」 「……もう、そんなに経ったのか…」 遠くでブーンと音がした。艦載機が不安定にゆらゆらとしながら空を飛んでいる。その横を無駄のない動きで真っ直ぐ飛んでいた艦載機があった。なんとなく、瑞鶴と加賀の烈風だろう、と思った。 「提督はなんで瑞鶴を隠さなくなったの?」 スー、ハー。私は深呼吸をした。 「………愛宕が言ったんだ、私は優秀な指揮官だと……だから落ち着いて冷静になって、って。その言葉を聞いた時、このままではいけないと思った。艦娘たちは私を信頼しているのに、…私は…上に立つ者としてその信頼を蔑ろにしすぎている、と気付いたんだ」 「そっかぁ」 秋雲は窓の縁にスケッチブックを置くと椅子から立ち上がった。私の前に歩み寄る。瑞鶴よりもさらに小さな体。小さくて、すぐに壊れてしまいそうだ。 「秋雲が現れなければきっともっと上手く瑞鶴や翔鶴たちと付き合っていられたかもしれないのに。秋雲がここにいたから、前に進むことができなくなったよね」 秋雲は私の腕を弱弱しく掴んだ。 「ごめんなさい」 エメラルドの瞳から私は目が離せなかった。そのまま私もその瞳の中に閉じ込められればいいのに、と妄想した。 「…謝るのは私の方だ。私のワガママでお前をここにずっと閉じ込めて悪かった」 秋雲は私を見ながら首を横に振った。 「…秋雲もここにいたかったから…提督と一緒にご飯を食べたり話したりして……楽しかったし面白かった。嘘じゃないよー?」 「そう言われると益々嘘のように感じてしまうな」 「なーにそれ!本当だってー」 ぷーと秋雲は頬を膨らませた。それが可笑しくて、私は笑った。すると秋雲は顔を歪に歪めたり、自身の頬を引っ張った。まるで赤ん坊をあやす行為だ。それが妙に笑いのツボに入ってしまって、思わず私は噴出した。秋雲も一緒に笑った。 ひとしきり笑い終わった後にねぇ提督、と私を呼んだ。 「私、お願いがあるんだけどさぁー聞いてくれる?」 「何だ?言ってみろ。無茶なこと以外は聞いてやろう」 秋雲は私から離れると本棚へ向かった。そこから一冊のスケッチブックを取り出した。表紙が黒色のスケッチブックだ。そのスケッチブックを私に差し出しながら、 「秋雲さんを描いてよ、提督」 願いが告げられた。 →続き
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/314.html
15 :名無しさん@ピンキー:2014/02/26(水) 01 23 40.68 ID rrWidLhX ゲイの出会い系で知り合った10歳以上年上の提督の執務室へ そしたら「これ着て責めて欲しい」と言われて、オリョクルというか、 潜水艦の娘が着てるようなスクール水着を着させられ、浮き輪をさせられた 向こうは全裸 まあこんなのもたまにはいいか、と愛撫してたら、提督が喘ぎ声の中、喋りだした 「お、おにいちゃん…お、おかえりなさい…た、大漁だった?ねえ大漁だった??」 …オレは突然の、しかも想定の範囲を超えたセリフにポカーンとしてしまった 提督は素に戻って、「…返事して欲しい」と恥ずかしそうにオレに言った プレー再開 耳とかをなめつつ体中をさわさわと触る 「お、おにいちゃん、大漁だった?」 「ああ、大漁だったよ」 「あぁぁぁあぁすごいいいぃいぃ!、、な、なにが、、ハァハァなにが捕れたの?」 乳首を舌でやさしく舐めながらオレは答えた 「…燃料とか、、、弾薬がいっぱい捕れたよ」 セリフを聞き、提督はびくんびくんと身体をひきつらせた 「はっ!はぁぁぁあんっ!イ、イムヤは?イムヤは、と、取れたの??」 チ●コをしごく 「ああ。でかいイムヤが取れたよ。今年一番の大漁だ」 「ワァオ!!大漁!大漁っ!!おにいちゃんかっこいいいいぃぃぃい 19ううううう!」 実話です。。きっと潜水艦の娘との幼い頃の体験というか、淡い恋心とかが あったんだろうなあ、といろんなことを考えさせられた一夜でした。 16 :名無しさん@ピンキー:2014/02/26(水) 02 23 04.14 ID 3Ut+Zw0/ 何が何だか分からない…(AA略